新型ロケット開発の現状整理
日本の宇宙輸送を担うロケット開発は、複数の課題に直面している。宇宙航空研究開発機構は、大型ロケット「H3」と小型ロケット「イプシロンS」について、相次ぐ試験結果を踏まえた対応方針を明らかにした。いずれも打ち上げ再開に向けた工程の再構築が焦点となっている。
H3低価格型エンジンの再試験計画
H3ロケットの低価格型では、補助ブースターを使用せず、主エンジンを3基搭載する新構成が採用されている。2025年7月に行われた燃焼試験では、発射台に固定した状態でエンジンの連動や通信状況が確認された。取得データの分析により、第1段燃料タンクの圧力が想定水準に達していなかったことが判明した。
加圧方式の修正と検証内容
JAXAは、次回の燃焼試験において、燃料タンクの加圧に用いるガス量を増やすなどの調整を行う。2回目の試験は2025年度内に実施される予定で、エンジン作動の安定性や機体全体との整合性を改めて確認する。打ち上げ再開までの期間を活用し、検証を進める方針だ。
打ち上げ停止が続くH3の影響
H3は2025年12月に打ち上げた8号機が目標軌道への投入に失敗しており、原因究明が継続している。JAXAと三菱重工業は、2026年3月末まで9号機を打ち上げないと決定している。国内の宇宙輸送能力に空白が生じている点が課題となっている。
小型ロケットとの並行対応が鍵
同時に進むイプシロンSの計画修正と合わせ、JAXAは大型・小型ロケット双方の信頼性回復を目指す。段階的な試験と実績の積み重ねが、今後の宇宙開発体制を左右する重要な要素となる。
