年初から続いた金価格上昇の流れ
2026年に入ってから、国内の金先物価格は急激な上昇基調をたどってきた。背景には、デンマーク自治領グリーンランドを巡る欧米間の対立など、複数の地政学リスクが重なったことがある。加えて、投資家の間で進んだドル離れも金需要を押し上げ、1月29日には最高値を更新した。
記録的下落を招いた金融環境の変化
しかし、この上昇局面は長く続かなかった。米FRBの次期議長にウォーシュ元理事が指名されたことで、金融政策が引き締め方向に向かうとの見方が広がった。ドル高が進行すると、金先物価格は急速に値を下げ、2日には15%に達する記録的な下落となった。
大阪取引所での急反発と取引停止
3日には状況が再び変化した。急落後の水準を受け、先物市場では買い戻しが一気に広がった。大阪取引所で取引の中心となる12月ものは大幅に上昇し、日中取引では一時的に売買が集中した。このため、価格変動を抑える目的でサーキットブレーカーが発動された。
現物価格にも及んだ先物の影響
先物市場の動きは、国内の現物価格にも反映された。田中貴金属工業の店頭小売価格は、1月29日の高値から急落した後、数日で持ち直す展開となった。先物と現物の連動性が高い中で、市場全体が不安定な状態に置かれていたことがうかがえる。
市場参加者が警戒する値動きの増幅
市場関係者からは、短期的な投機資金の流入と流出が価格変動を拡大させたとの指摘が出ている。地政学リスクや金融人事といった材料に対し、売買が過度に反応した結果、急騰と急落が連続した。金市場は、需給だけでなく市場心理に大きく左右される局面を迎えている。
