最新モデル公開と波紋拡大
動画共有アプリ「TikTok」を運営する中国IT大手バイトダンスは、2月上旬に動画生成AIの新モデル「Seedance2.0」の試験版を公開した。文章による指示に基づき、高精細な映像を作成できる点が特徴とされる。公開後、SNS上では同モデルで制作されたとみられる映像が相次いで投稿され、国内外で注目を集めた。
アニメキャラ動画が拡散
投稿された動画の中には、日本のアニメ作品に登場するキャラクターに類似した映像が複数確認された。さらに、政治家や俳優など実在の人物と極めて似通った人物を生成し、対戦させる内容も拡散した。こうした事例が広がったことで、知的財産や肖像権を巡る問題が指摘されるようになった。
国内外団体が相次ぎ声明
国内ではアニメーターらで構成される「日本アニメフィルム文化連盟」が声明を公表した。声明では、権利処理が十分に行われないままコンテンツが活用されることへの強い懸念が示された。海外でも映画関連団体が同様の問題提起を行い、著作権保護の在り方が改めて問われている。
バイトダンスの対応内容
バイトダンスの日本法人は、NHKの取材に対し、実在の人物や既存キャラクターを基にした生成を既に停止したと説明した。正式版の公開に向け、安全対策を強化していると明らかにしている。「寄せられている懸念を認識している」とした上で、知的財産や肖像の無断利用防止に向け措置を講じているとコメントした。
動画生成AIと権利保護課題
動画生成AIを巡っては、2025年にも米国企業のモデルに対し出版・映像業界から懸念が表明されている。高度な生成技術の進展に伴い、既存コンテンツとの境界が不明確になるケースが増えている。今回の対応は、生成AIと権利保護の両立という課題を改めて浮き彫りにしている。
