中東で戦闘激化の様相
イスラエルは3月2日、イランに対する新たな軍事行動を開始した。同時に、親イラン組織ヒズボラが活動拠点を置くレバノン南部や首都ベイルート周辺にも攻撃を加えた。これに対しイラン側は、イスラエルに向けたミサイル攻撃を実施したと発表し、双方の軍事的応酬が一段と強まった。
イラン国営メディアによると、同日朝には首都テヘラン各地で爆発音が確認された。西部クルディスタン州サナンダジへの攻撃では少なくとも3人が死亡したとされる。イスラエル軍関係者は、今回の作戦が昨年6月の12日間の衝突より広範囲かつ強度が高いと説明している。
ヒズボラが報復攻撃を実施
レバノンのシーア派組織ヒズボラは、イラン最高指導者ハメネイ師殺害への報復としてミサイルや無人機を発射したと表明した。イスラエル北部にはレバノン側から飛翔体が撃ち込まれ、防空警報が鳴り響いた。イスラエル軍はレバノン各地のヒズボラ関連施設を攻撃し、武器保管庫や幹部拠点を標的にしたと発表した。
レバノン国営通信は、イスラエルの反撃により31人が死亡したと報じた。ヒズボラは2024年11月以降停戦状態にあったが、イラン情勢を受けて軍事行動に踏み切った。イスラエルのカッツ国防相は、ヒズボラ指導部も攻撃対象になると明言し、強硬姿勢を示している。
イスラエル軍、作戦長期化示唆
イスラエル軍のザミール参謀総長は、ヒズボラに対する戦闘が数日間続く可能性があると述べた。情報筋によれば、48時間以内に予備役兵の追加招集が行われる見通しで、軍は十分な攻撃・防御能力を確保しているという。
3月2日午前7時過ぎにはテルアビブやエルサレムを含む広範囲で警報が発令された。イラン革命防衛隊は、テルアビブの政府関連施設やハイファの軍事拠点などを標的にしたと発表し、攻撃拡大を示唆した。
周辺国にも影響広がる
ロイター記者はアラブ首長国連邦ドバイやカタールのドーハで爆発音を確認した。クウェートは3日連続で無人機を迎撃したと発表した。英国もキプロスのアクロティリ英空軍基地が無人機攻撃を受けたが、被害は軽微だったとしている。
中東各地で軍事的緊張が高まる中、各国は警戒を強めている。地域全体への波及が懸念される状況が続いている。
イラン、米国との対話を拒む
イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は、米国とは交渉しないと表明した。米大統領が対話の可能性に言及する中でも、イラン側は軍事行動を優先する姿勢を崩していない。
イランのペゼシュキアン大統領は、暫定的に最高指導者の職務を引き継ぐ臨時評議会が設置されたと発表した。中東情勢は外交的打開が見通せないまま、軍事衝突の拡大局面に入っている。
