自販機事業売却を発表した背景
サッポロホールディングスは3月5日、傘下のポッカサッポロフード&ビバレッジが運営する自動販売機事業を売却すると発表した。長年展開してきた飲料の自販機事業を見直し、事業の再編を進める。売却先は清涼飲料メーカーのライフドリンクカンパニーで、同社が事業を引き継ぐ予定だ。
自販機の維持や機器管理にかかる費用が増加していることが、事業見直しの大きな要因とされる。サッポロHDは今後、酒類や飲料商品の開発など主力事業に経営資源を集中する方針を示した。
約4万台の自動販売機を譲渡へ
売却の対象となるのは、全国各地に設置されている約4万台の自動販売機である。これらの設備は、ライフドリンクカンパニー側に引き渡される予定となっている。
譲渡額は公表されていない。売却手続きは今後進められ、事業はライフ側が設立する新会社を通じて運営される見通しだ。
商品販売は一定期間継続
自販機の運営主体は変更されるが、販売される商品は当面変わらない。ポッカサッポロの商品は一定期間、これまで通り自動販売機で取り扱われる予定である。
自販機のブランドや販売内容を急激に変更するのではなく、移行期間を設けながら事業の引き継ぎが進められる。利用者にとっては、当面は従来と同じ商品を購入できる体制となる。
厳しさ増す自販機ビジネス環境
清涼飲料業界では近年、自動販売機事業を取り巻く環境が厳しさを増している。物流費や原材料費の上昇により、運営コストの負担が大きくなっているためだ。
さらに、値上げや消費者の節約志向の影響で販売の伸び悩みも指摘されている。こうした状況から、企業が自販機事業の見直しに踏み切る動きが広がっている。
飲料業界で進む事業再編の流れ
自販機事業の見直しはポッカサッポロだけではない。飲料メーカーのダイドーグループHDは、不採算と判断した約2万台の自動販売機を撤去すると発表している。
こうした動きは、業界全体でビジネスモデルの再検討が進んでいることを示している。サッポロHDも自販機事業から撤退することで、今後は主力事業の競争力強化を図る方針だ。
