東京市場で円が小幅上昇
3月5日の東京外国為替市場では、円相場が前日よりやや上昇し、1ドル=157円台前半で推移した。午後5時時点では1ドル=157円25~27銭となり、前日比で約19銭の円高・ドル安となった。
円は6営業日ぶりに上昇したものの、上昇幅は限定的で、市場では目立った値動きとはならなかったとの見方が出ている。
中東情勢の報道が市場心理に影響
為替市場の動きには中東情勢が影響した。イランの情報機関が米国側に停戦に関する協議を持ちかけたとの報道が広がり、軍事衝突の長期化を警戒したドル買いの動きが弱まった。
これにより、朝方の取引では円を買ってドルを売る動きが先行した。地政学リスクの高まりで進んでいたドル需要が後退し、為替市場の資金の流れに変化が生じた。
原油価格上昇で円売り圧力
しかし、円高の流れは長く続かなかった。取引時間中に原油先物価格が上昇し、エネルギー価格の高騰による景気への影響が意識されたためである。
日本は資源輸入への依存度が高く、原油価格の上昇は貿易収支の悪化要因となる。このため、為替市場では円を売ってドルを買う取引が再び増え、円の上げ幅は縮小した。
株価上昇も円の重しに
東京株式市場では日経平均株価が大きく上昇した。株価の上昇は投資家のリスク選好を強める要因となり、安全資産とされる円の需要を抑える結果となった。
こうした株高の影響もあり、為替市場では円の上昇が抑えられた状態が続いた。
市場では介入警戒も意識
市場関係者の間では、日本政府による為替介入への警戒感も意識されている。円安水準が続く中、急激な変動に対する警戒が取引の慎重姿勢につながっているとの見方がある。
為替ブローカーからは「円は上昇したが動きは大きくなかった」との声が出ており、東京市場では方向感に欠ける展開となった。ユーロも対円で上昇し、17時時点では1ユーロ=182円48~52銭で取引された。
