日産とウーバーの協業検討が明らかに
日産自動車が米国の配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズと自動運転分野での協力を進める方向で最終調整していることが分かった。日産が開発する自動運転車両をウーバーの配車ネットワークに組み合わせ、国内外で新たな移動サービスを展開する構想が検討されている。
両社の協力は、車両開発とサービス運営を結び付ける形で進められる見通しだ。自動運転技術の実用化が進む中、車両メーカーと配車事業者が連携する動きは世界的に広がっている。
AI活用の自動運転技術開発が柱
日産は英国の自動運転企業ウェイブ・テクノロジーズと共同で人工知能(AI)を活用した次世代自動運転技術を開発している。ウェイブは車両のカメラ映像をAIが解析し、周囲環境を認識して判断する「エンド・ツー・エンド(E2E)」と呼ばれる技術を強みとしている。
この技術は複雑な都市部の交通環境でも自動運転を可能にすることを目標としている。日産は同社の高度運転支援システム「プロパイロット」の次世代版として、2027年度以降の市販車への搭載を計画している。
配車サービスと自動運転の融合計画
ウーバーは世界各地で配車サービスを展開しており、日本ではすでにタクシー配車を47都道府県で利用できる体制を整えている。自動運転車の導入により、将来的には人が運転しない配車サービスの実現を目指している。
日産の車両が配車サービスに導入されれば、車両供給とサービスの両面で連携が進む可能性がある。ウーバーは自動運転分野で複数企業と提携を進めており、日産との協力もその一環となる。
日産の経営再建と販売拡大の狙い
日産は販売低迷の影響を受け、2026年3月期の連結最終損益が6500億円の赤字になる見通しとなっている。経営再建のためリストラを進めており、新たな成長分野として自動運転技術を位置付けている。
配車サービス向け車両の提供が進めば、販売台数の拡大につながる可能性がある。自動車メーカーにとって、モビリティサービスとの連携は新たな収益源の確保という意味でも重要性が高まっている。
ロボタクシー市場で競争激化
自動運転を活用した配車サービスは世界的に競争が激しくなっている。米EV大手テスラは2025年から米国で試験的なロボタクシーサービスを開始した。中国では検索大手百度(バイドゥ)が自動運転タクシー事業を拡大している。
また、トヨタ自動車も米グーグル系の自動運転企業ウェイモと提携し、配車サービス向け車両の開発を進めている。日産とウーバーの連携は、こうした世界規模の競争の中で存在感を高めるための取り組みと位置付けられる。
