軍事作戦の現状を強調
米国のトランプ大統領は3月9日、対イラン軍事作戦について「戦争はほぼ完了している」と述べ、軍事目標の達成が進んでいると訴えた。CBSニュースやNBCニュースなど複数の米メディアへの発言に加え、フロリダ州マイアミ近郊での会合や記者会見でも、作戦は短期間で大きな成果を上げたとの認識を繰り返した。記者会見では、イランの指導部に大きな打撃を与え、ミサイルやドローンの能力も大幅に低下したとの見方を示した。
攻撃継続と地域の緊張拡大
一方で、戦闘は収束していない。イスラエル軍は9日、イラン革命防衛隊のドローン攻撃司令拠点など複数の施設を攻撃したと発表し、その後もテヘランの標的に対する広範な攻撃を続けた。イスラエル当局はイランからのミサイル攻撃に備えて住民に避難を指示し、空襲警報が繰り返し出された。さらに、バーレーン内務省は首都マナマの集合住宅がイランの攻撃を受け、少なくとも1人が死亡、複数が負傷したと明らかにした。
原油と株価が大きく変動
トランプ氏の「まもなく終わる」との発言は市場にも直結した。3月10日早朝のアジア市場では、ブレント原油が1バレル92.50米ドルとなり、約8.5%下落した。米国産原油も約9%下げて88.60米ドルとなった。ただ、紛争開始前と比べると、なお約30%高い水準にある。原油安を受けて株式市場は買い戻しが進み、日経平均株価は午前の取引で前日比1670円高の5万4399円となり、一時は上げ幅が1900円超に達した。韓国総合株価指数(KOSPI)も5%超上昇した。
ホルムズ海峡への警告を発信
トランプ氏は同日深夜、自身のSNSで、イランがホルムズ海峡での石油輸送を妨げた場合、米国はこれまでを大きく上回る規模で反撃すると警告した。ホルムズ海峡は通常、世界の石油輸送の約20%が通過する要衝であり、今回の戦争で海上交通は大幅に減少している。原油相場の急騰はこの物流不安を背景に進んでいた。トランプ氏は、妨害が起きれば破壊可能な標的を直ちに除去すると強調し、強硬姿勢を鮮明にした。
プーチン氏と住民不安が焦点
トランプ氏は9日、プーチン大統領と約1時間にわたり電話会談し、イランとウクライナを中心とする国際情勢を協議した。クレムリンによると、会談は実務的で率直かつ建設的な内容だった。プーチン氏はイラン紛争の政治的・外交的解決に向けた考えを示した一方、ロシアは同日、イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師への祝意も公表した。イラン国内では通信遮断が続き、テヘランや近郊カラジで停電も発生した。住民からは「早く終わってほしい」「戦争に押しつぶされそうだ」といった不安の声が上がっている。
