ホルムズ海峡で機雷警戒強まる背景
中東の海上輸送の要衝であるホルムズ海峡周辺で、イランによるとみられる機雷設置や船舶攻撃が続き、海上交通の安全を巡る緊張が高まっている。石油輸送の主要ルートである同海峡では航行の安全性が不安視され、世界のエネルギー市場にも影響が広がっている。海運関係者の間では、船舶の通航に伴う危険性が急速に高まっているとの認識が共有されている。
商船攻撃とタンカー炎上で被害発生
周辺海域では商船への攻撃が相次いだ。イラク領海では燃料タンカー2隻が炎上し、乗組員1人が死亡した。イラク当局は、爆発物を積んだイランの小型ボートによる攻撃だったと発表した。さらに数時間後にはペルシャ湾で3隻が攻撃を受け、そのうち1隻についてはイラン革命防衛隊が関与を認めたとされる。
米海軍は護衛要請に応じず
海運業界はホルムズ海峡を通過する船舶の安全確保のため、米海軍に護衛を求めている。しかし関係者によると、米軍は現段階では危険度が極めて高いとして要請を受け入れていない。海運企業と軍当局の間では定期的に協議が行われているが、攻撃のリスクが低下しない限り護衛は困難との立場が示されている。
原油価格上昇と海峡封鎖の影響
ホルムズ海峡は事実上の封鎖状態となり、世界の原油価格は2022年以来の高水準に上昇した。石油輸送が滞れば国際市場への供給にも影響が及ぶため、エネルギー価格の変動要因として各国が警戒を強めている。一方で、イランは中国向けの原油輸出を継続しており、直近6日間の輸出量は1日平均210万バレルと報じられている。
海上戦略と国際輸送への影響拡大
米国防総省の情報機関は、イランが約5000発の機雷を保有していると分析している。小型艇を分散させて機雷を展開する海上ゲリラ戦術により、航路の安全に不安を生じさせる戦略とされる。機雷は除去が困難で、戦闘終了後も長期間にわたり海域の安全を損なう可能性があると指摘されている。
