米国の協力要請が波紋拡大
トランプ米大統領は3月15日、ホルムズ海峡の警備に各国が加わるべきだとして、7カ国と協議していると明らかにした。週末の発信では、中国、フランス、日本、韓国、英国などの参加に期待を示し、海峡の安全確保を国際的な課題として位置づけた。
さらに英紙の取材では、中国が同海峡経由で多くの石油を調達しているとして、協力の必要性を訴えた。NATO加盟国にも対応を促し、航行再開への関与がなければ厳しい将来に直面すると警告した。
日本政府は法的整理を優先
高市首相は3月16日の参院予算委員会で、護衛活動への参加について現時点では正式な要請を受けていないと説明した。そのうえで、日本政府として必要な対応策を検討していると述べた。
首相は、日本関係船舶や乗員の安全をどう守るかを軸に、国内法の範囲内で可能な措置を整理していると説明した。検討対象としては、機雷除去、船舶防護、情報収集の対象海域拡大などを挙げ、日本は自らの責任で対応を決めるとの立場を強調した。
豪州は現段階で派遣を否定
オーストラリア政府も同日、海軍艦艇をホルムズ海峡へ送る予定はないとの考えを示した。キャサリン・キング・インフラ・交通・地域開発相は、海峡の重要性は理解しているとしつつ、自国への要請もなく、現時点で関与していないと説明した。
日本と豪州はいずれも、海上輸送の安定が重要であるとの認識を共有しながら、即時の軍事的関与には踏み込んでいない。米国の働きかけが続く中でも、まずは自国の制度や状況を踏まえた判断を優先する姿勢が鮮明になっている。
韓国は日本の対応も注視
韓国大統領府は、米側と緊密に意思疎通しながら慎重に判断するとの立場を示した。報道によると、大統領府関係者は中東情勢や関係国の動向を見極めつつ、国民保護とエネルギー輸送路の安全確保に向けた方策を多角的に探っていると説明した。
韓国メディアでは、日本の対応が重要な基準になるとの指摘も出た。一方で、革新系紙ハンギョレは社説で、海峡派遣は韓国軍と国家全体に新たな危険をもたらすとして、慎重対応を求めた。米国との関係維持の必要性を認めながらも、軍事的関与への警戒感がにじんでいる。
首脳外交と国際協議が本格化
高市首相は3月19日にワシントンでトランプ大統領と会談する予定で、ホルムズ海峡対応が議題の1つとなる可能性がある。米国側が日本を含む同盟国の具体的な関与に期待しているため、首脳会談でのやり取りが今後の方向性を左右する。
欧州連合の外相らは16日、中東での小規模な海軍任務の強化を協議する予定とされるが、任務をホルムズ海峡まで広げる決定は見送る見通しだ。英国のスターマー首相はトランプ大統領、カナダのカーニー首相とそれぞれ協議し、海峡閉鎖が世界の海上輸送へ及ぼす影響を確認した。各国は同じ危機を共有しつつも、対応の形は分かれている。
