原油高が5月の物価全体を押し上げる展開
中国の5月の消費者物価指数は、前年同月比1.2%上昇した。中国国家統計局が6月10日に発表したもので、CPIがプラスとなるのは8カ月連続となった。上昇率は4月から横ばいだったが、原油高を背景に燃料価格が大きく伸び、物価全体を押し上げた。イラン情勢の混乱に伴う国際的なエネルギー価格の上昇が、中国国内の価格動向にも反映された形だ。
CPIは8カ月連続でプラス圏を維持する動き
5月のCPIは、ガソリンなど交通燃料の値上がりが目立った。品目別では交通燃料が前年同月比21.1%上昇し、4月の17.4%から伸びが拡大した。エネルギー価格の上昇は、消費者が日常的に利用する移動関連の費用に波及している。消費者物価が8カ月続けて前年を上回ったことで、中国の物価動向は原油価格の影響を強く受ける局面に入っている。
ガソリン高とサービス需要が物価を押し上げ
物価上昇の要因は燃料価格だけではない。旅行需要の拡大により、関連するサービス価格も上昇した。移動や観光に伴う消費が増えたことで、サービス分野の価格がCPIを支えた。エネルギー価格の高止まりとサービス需要の回復が重なり、5月の消費者物価はプラス圏を維持した。一方で、変動の大きいエネルギーと食品を除いたコア指数は1.1%上昇し、4月の1.2%から小幅に鈍化した。
食品と自動車には下落圧力が残る構図
一方、すべての品目で価格が上がっているわけではない。中国人の食卓に欠かせない豚肉は前年同月比16.1%低下し、食品価格全体も1.7%下落した。消費者の節約志向を背景に、自動車価格も下落が続いている。5月の自動車価格は1.1%下がり、販売の低迷が価格面にも表れた。燃料やサービス価格が上がる一方で、食品や耐久消費財には弱さが残っており、中国の消費環境には品目ごとの差が出ている。
価格転嫁の行方が消費を左右する局面
同時に発表された5月の生産者物価指数は、前年同月比3.9%上昇した。原油高の影響で企業の出荷価格も上がっており、上昇率は2022年7月以来、3年10カ月ぶりの高水準となった。エネルギー価格の高止まりは企業収益を圧迫し、個人消費にも影響を及ぼす要因となる。今後は、企業が上昇したコストを販売価格へどこまで転嫁できるかが重要となる。内需不足が指摘される中、物価上昇が消費の冷え込みにつながるかどうかも注目される。
