5月宿泊統計が示した全体動向と減少幅の確認
観光庁が7月6日に公表した5月の宿泊旅行統計の1次速報で、国内のホテルや旅館などに泊まった人は、日本人と外国人を合わせて延べ5339万人となった。前年同月と比べると4.8%の減少で、宿泊需要全体では前年を下回った。内訳では、日本人宿泊者が延べ3957万人で1.4%減、外国人宿泊者が延べ1382万人で13.4%減となり、外国人の落ち込みが全体の減少幅に大きく反映された。
外国人宿泊者の前年割れが続く局面の主な特徴
外国人宿泊者数は、2026年に入って2月を除く各月で前年同月を下回った。3月から5月までは3か月続けて前年割れとなり、コロナ禍以降では初めての連続減少となった。5月単月では延べ1382万人にとどまり、前年同月比で13.4%減少した。ただし、前年の水準が高かったこともあり、観光庁は外国人旅行者の宿泊が多い傾向自体は続いているとの見方を示している。
時期ずれと中国減が押し下げる構図の詳しい背景
観光庁は、外国人宿泊者数が減少した要因として、春節やイースターの時期が例年と異なる月にあったことを挙げている。この影響により、1月や4月には減少幅が大きくなった。さらに、全体の減少傾向には中国からの旅行者の減少も関係している。国・地域別の比較ができる施設では、中国の宿泊者数が前年同月比55.3%減となり、5月統計の中でも目立つ減少となった。
2025年確定値は過去最多を更新した実態
一方で、2025年の延べ宿泊者数は確定値で6億6111万人となり、2024年比0.3%増となった。観光庁が今年2月に示した速報値では6億5348万人、0.8%減とされていたが、確定値では増加に転じた。大阪・関西万博などの影響もあり、外国人宿泊者数は通年で過去最多を記録した。5月の前年割れは確認されたものの、前年までに積み上がった訪日需要の規模は大きい。
高水準の需要継続を示す今回統計の位置づけ
5月の統計は、外国人宿泊者数が前年を下回る一方、訪日旅行需要がなお高い水準にあることも示した。外国人宿泊者は3か月連続で減ったが、延べ1382万人という規模は、国内宿泊市場における存在感の大きさを示している。春節やイースターの時期ずれ、中国からの宿泊者減少といった要因が重なったことで、前年同月比では減少となった。今回の結果は、過去最多を記録した2025年からの変化を映す統計である。
