10日の衆院採決で合意成立へ進む国会日程
皇族数の確保を目的とする皇室典範改正案は、7月10日に衆議院で採決される運びとなった。衆議院議院運営委員会の理事会で、与野党は10日の委員会で審議と採決を行い、同日中に本会議へ緊急上程して採決する日程で合意した。衆議院では与党が過半数を確保しており、改正案は賛成多数で可決され、衆院を通過する見通しとなっている。
国会では一時、法案審議をめぐる対立が続いていた。しかし、与党側が野党の要求に応じ、衆議院予算委員会の集中審議を開く考えを示したことなどを受け、審議は再開された。皇室制度に関わる案件であることから、野党側も「静ひつな環境」で審議を進める姿勢を示し、採決日程に応じた。
皇族数確保へ示された制度改正の2本柱と論点
改正案の中心となるのは、皇族数の減少に対応するための2つの制度措置である。1つは、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える仕組みであり、もう1つは女性皇族が結婚後も皇室に残ることを可能にする内容である。いずれも皇室の活動を支える人数を確保するための対策として示されている。
また、養子に迎えられた旧皇族の男系男子に男の子が生まれた場合、その子が皇位継承資格を持つとする規定も含まれている。この点については、今後の制度検討との関係で各党から意見が出ている。国民民主党内でも、時間的制約を踏まえて成立を急ぐべきだとの意見がある一方、将来の検討課題であることを明確にすべきだとの指摘が示された。
国民民主と参政が賛成方向で最終調整へ進む
国民民主党は7月9日、国会内で会合を開き、政府側から説明を受けた上で対応を協議した。会合では、改正案が立法府の総意におおむね沿う内容だとして、賛成する方向で調整する考えが示された。最終的な対応は浜口誠政務調査会長に一任された。
玉木雄一郎代表は、改正案と衆参両院の議長・副議長から示された付帯決議案について、おおむね了承したとの認識を示した。その上で、改正案に広い賛同が得られるよう協力する考えを述べた。参政党も幹部が賛成の意向を示しており、与党以外にも賛成に回る動きが出ている。
中道改革連合は政府答弁の内容を重視する構え
中道改革連合は、改正案への賛否判断を10日の質疑内容を踏まえて決める方針を示している。同党は、付帯決議案に修正を加えることを前提に賛成する方向をいったん確認していた。しかし、修正に必要な理解を得ることが難しい状況となり、7月9日夕方に臨時の常任幹事会を開いて対応を再協議した。
同党が重視しているのは、養子に迎えた旧皇族の男系男子に男の子が生まれた場合の皇位継承資格の扱いなどを、今後どのように検討するかという点である。階猛幹事長は、政府側などから同党の考えに沿う答弁が得られれば、議事録に残るため付帯決議と同等の意味を持つとの見方を示した。採決前の質疑が、同党の最終判断を左右することになる。
会期末成立へ向けた最終局面に入る改正案の行方
改正案は7月10日に衆議院を通過する見込みとなり、今国会の会期末である7月17日までの成立が現実味を帯びている。国民民主党や参政党が賛成方向で調整していることも、成立の公算を高める要因となっている。チームみらいは党議拘束をかけず、自主投票とする方針を示した。
一方、共産党は議論をやり直すべきだとして反対する方針を明確にしている。参院野党第1党の立憲民主党は、参院審議の段階で修正案を提出し、否決された場合には反対する方針を決めている。皇室制度の安定に関わる改正案は、衆院採決を経て参院での審議に移る見通しであり、各党の対応が引き続き注目される。
