米国株は主要指数で異なる動き
7月27日のニューヨーク株式市場では、ダウ工業株30種平均が前週末を262ドル83セント上回る5万2210ドル08セントで取引を終えた。ダウの上昇は2営業日連続となり、景気や物価の動向に左右されやすい銘柄を中心に買いが入った。一方、ハイテク企業の比重が大きいナスダック総合指数は43.74ポイント下落し、2万4932.08となった。
ナスダック総合指数の下落は4営業日連続で、主要株価指数の方向は一致しなかった。ニューヨーク市場の出来高は概算で12億929万株、ナスダック市場は69億5608万株だった。市場では、中東情勢の変化と企業ごとの投資負担がそれぞれ異なる形で株価に反映された。
軍事行動の停止で原油価格下落
株式市場を支えた要因は、米国とイランによる軍事攻撃の応酬が一時的に止まったことだった。米国はイランに対する大規模な攻撃を見送り、イラン側も報復を停止する方針を示した。両国の動きを受けて、中東からの原油供給が不安定になることへの警戒が弱まった。
ニューヨーク原油先物価格は大幅な下落が続き、エネルギー価格が一段と上昇するとの不安が後退した。原油高は輸送費や製造費など幅広いコストを押し上げるため、米国の物価動向を左右する材料となる。今回の値下がりによって、インフレが再び加速するとの見方が和らぎ、株式を買い戻す動きにつながった。
物価への警戒後退がダウ支える
原油相場の下落を背景に、ダウ平均では買い注文が売りを上回った。エネルギー費用の上昇が企業収益や個人消費に及ぼす負担への懸念が後退し、幅広い業種に資金が向かった。個別銘柄では、顧客管理ソフトウエアを手がけるセールスフォースや、化学・事務用品大手の3Mが値上がりした。
ただし、米国とイランの対立が完全に解消されたわけではなく、本格的な緊張緩和には至っていないとの見方も残った。このため、投資家が積極的に買い進める展開にはならず、ダウ平均の上値は限られた。中東情勢を巡る安心感と警戒感が併存するなか、相場は慎重な値動きとなった。
エヌビディア下落でナスダック軟調
ダウ平均が上昇した一方、ナスダック市場では半導体関連株の下落が指数を圧迫した。エヌビディアがOpenAIに対し、大規模データセンターのリースに関係する2500億ドル、約40兆9250億円の保証を検討していると報じられた。市場では、巨額の保証に伴う資金調達や投資負担を警戒する動きが広がった。
エヌビディア株は売られ、半導体関連ではサンディスクやASMLも下落した。ハイテク株の構成比率が高いナスダック総合指数は、これらの値下がりの影響を強く受けた。原油安による物価面の安心材料よりも、企業の財務負担や過剰投資に対する懸念が重く意識された。
中東情勢と投資負担が焦点
27日の米国市場では、原油価格の急落がダウ平均を押し上げる一方、半導体株への売りがナスダック総合指数を押し下げた。市場全体に共通する材料だけでなく、企業ごとの事業計画や資金需要が株価を左右する展開となった。主要指数の明暗が分かれたことで、投資家の選別姿勢も示された。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は6万4055円となり、大阪取引所の27日の清算値を1115円下回った。米国のハイテク株安を受け、日本市場でも半導体や成長株を巡る動きが注目される。引き続き中東情勢、原油価格、半導体企業の投資規模が相場の重要な材料となる。
