最大震度7受け政府が対応体制を拡充
熊本県で7月28日夕方に最大震度7を記録した地震を受け、政府は救命活動と被災者への生活支援を拡大した。人的被害や建物の倒壊など広い範囲で被害が確認されており、政府は非常災害対策本部を中心に情報収集を続けている。高市早苗首相は、人命の保護を最優先とし、関係機関が総力を挙げて対応するよう指示した。
政府は28日夜に対策本部の会議を開催し、高市首相や防災担当相をはじめとする関係閣僚が参加した。首相は被害が重大な段階にあるとの認識を示し、夜間も途切れることなく救助や被害確認を進めるよう求めた。29日にも会議を開き、現地の状況や不足している支援内容を確認する体制を整えた。
自治体からの要請を待たず生活物資を輸送
政府は、被災自治体から正式な依頼が届く前に物資を届ける方式を強める。対象には食料や飲料水、トイレットペーパーなど、避難生活を維持するために必要な品目が含まれる。停電や断水が起きている地域もあるため、電力や生活用水を補う装備の手配も進めている。
夏の暑さによる健康被害を防ぐため、簡易型の冷房設備や電源車も現地へ送る。29日午後2時ごろには、冷房機器約300台を積載した航空自衛隊の輸送機が、埼玉県の入間基地から熊本空港へ出発した。各省庁が連携し、避難所や支援拠点へ必要な物資を速やかに届ける方針だ。
自衛隊を約4600人へ増員し活動
熊本県知事から災害派遣の要請を受けた自衛隊は、28日夜の時点で約3600人を配置していた。政府はその後、活動する隊員を約1000人増やし、約4600人の規模に引き上げた。警察や消防と協力し、取り残された人の捜索や救出、被害地域の確認を急いでいる。
小泉進次郎防衛相は、人命を守る任務を第一に据え、緊張感を持って対応すると表明した。救助だけでなく、給水をはじめとする日常生活への援助にも力を入れる考えを示した。被害の全容が明らかになっていない中、現場の必要性に応じて人員や装備を運用する。
政府調査団派遣と自治体支援を推進
政府は中央と被災地域の連絡を密にするため、防災担当の津島淳内閣府副大臣を責任者とする調査団を現地へ派遣した。調査団は被害の実態や自治体が必要とする物資を把握し、関係省庁との調整にあたる。現地から得た情報を政府の救助活動や物資輸送へ反映させる。
高市首相は、損害を受けた自治体の財政面を支える措置も指示した。通常の時期より前倒しして普通交付税を交付し、復旧作業に必要な資金を早期に確保できるようにする。複数の国から寄せられている援助の申し出についても、政府が状況を確認している。
救助と避難支援を並行して継続
政府の対応は、被災者の捜索と救出を進めながら、避難生活の負担を軽減する段階へ移っている。物資を先行して送り込む仕組み、自衛隊員の増派、調査団による需要確認を組み合わせ、支援の遅れを防ぐ。特に停電や断水、厳しい暑さへの対策が主要な課題となっている。
木原稔官房長官は、被害に関する事実と異なる情報がインターネット上で広がっているとして注意を促した。住民に対し、国や地方自治体、報道機関が発信する内容を確認するよう呼びかけている。与野党は8月6日に衆院災害対策特別委員会の理事懇談会を開き、政府から被害と対応状況を聴取する予定だ。
