東京市場で円相場が159円台前半へ下落する展開
25日の東京外国為替市場では、円相場が1ドル=159円台前半で取引された。午後5時時点は前日比29銭円安・ドル高の159円44~45銭で、ユーロに対しても21銭円安・ユーロ高の1ユーロ=185円88~92銭となった。円は主要通貨に対して軟調となり、ドル需要の強まりが相場全体を押し下げた。市場では地政学的な不透明感に加え、米国の金利環境も意識され、円を積極的に買う動きは限られた。
対イラン制裁への警戒からドル需要が一段と強まる
円安の主因となったのは、米国による対イラン制裁強化への警戒を背景としたドル買いだった。国際情勢への懸念が高まる中、市場では有事を意識してドルを確保する取引が優勢となり、円売りにつながった。さらに国内の輸入企業による実需の円売り・ドル買いも加わり、159円台での円安を支える要因となった。企業の決済に伴うドル需要と投資家によるドル選好が重なり、東京市場ではドルが相対的に買われた。
制裁内容は想定内との受け止めで円買い戻しも進む
一方、円売りが一方向に拡大したわけではない。米財務省が24日に発表した対イラン制裁について、市場では内容が想定の範囲内だったとの見方も出て、円を買い戻す動きがみられた。制裁強化への警戒がドルを押し上げる一方、材料を確認した後に円を買い直す取引が下落幅を抑えた。159円台では政府・日銀による為替介入への警戒も根強く、さらなる円売りには慎重な姿勢もみられた。
米長期金利の高止まりが為替市場の円売り材料に
米国では長期国債利回りが高水準で推移している。24日の米30年物国債利回りは5.25%前後となり、前週につけた19年ぶりの高水準である5.3371%に再び近づいた。米財務省が19日に長期国債の買い戻し拡大を発表した直後には5.18%まで低下したものの、その後は上昇に転じた。財政赤字や物価への不安に加え、AI関連企業による巨額の資金調達も債券市場の需給負担となっており、高い米金利がドルを支える要素として意識されている。
円安進行と米金利をにらみ為替介入への警戒続く
米債券市場では、AI大手による設備投資拡大に伴う社債発行が急増している。BNPパリバによると、主要AIハイパースケーラーの今年の債券発行額は10日までに2200億ドルと、前年同期の125億ドルから大幅に増えた。S&Pグローバル・レーティングスは、メタ、アルファベット、アマゾン、マイクロソフト、オラクルの5社が今年の設備投資に約7500億ドルを投じると推定する。イングランド銀行によると、2028年の設備投資に対する市場予想も、昨年末の6000億ドル未満から最近では1兆ドル超へ拡大している。
米国債と高格付け企業の社債が同じ投資資金を争う構図は、長期金利を高止まりさせる要因の一つとなっている。東京市場では対イラン制裁への警戒、実需のドル買い、米金利動向が重なる中、159円台で政府・日銀の対応を警戒する状態が続いている。外為市場では為替介入への警戒が残っており、地政学リスクと米金利の双方が円相場を左右する状況となっている。
