AI関連需要を追い風に中国輸出が大幅増加
中国税関総署が9月8日に公表した2026年8月の貿易統計で、輸出額は前年同月比25.0%増の4014億4000万ドルとなった。前年を上回るのは10カ月連続で、6月に記録した過去最大の水準に次ぐ規模となった。輸出の高い伸びを支えたのは、世界的に拡大している人工知能(AI)関連需要と、半導体や電気自動車(EV)などの出荷増だった。
NHKによると、輸出額は5カ月連続で2桁の伸び率を記録した。集積回路をはじめとするハイテク製品の取引が増加し、中国の貿易全体を押し上げた。外需が引き続き中国経済の主要なけん引役となっている状況が8月の統計でも示された。
半導体輸出は約2倍、AI関連機器も急伸
品目別では、半導体の輸出額が前年同月のおよそ2倍に拡大した。AI関連機器の輸出も約7割増となり、データ処理やAI投資の世界的な拡大が中国製ハイテク製品への需要につながった。EVを含む自動車関連の輸出も増え、幅広い製造業製品が輸出額の拡大に寄与した。
輸入側でもハイテク製品の伸びが目立った。半導体の輸入額は約8割増え、AI関連機器は約3倍となった。一方で肉類や食用油など消費関連品目の輸入は低調で、輸出入の増加が主にハイテク分野を中心としていたことがうかがえる。
米国とASEAN向け輸出が3割超伸長
輸出先別では、米国向けが前年同月比34%増となった。ASEAN=東南アジア諸国連合向けも30%増え、中国から主要市場への輸出が幅広く拡大した。EU向けは6%増となり、米国やASEANに比べて伸び率は小さいものの、前年実績を上回った。
日本との貿易では、一部のレアアース磁石などで中国からの輸出が減少した一方、全体では中国の対日輸出が8%増、中国の日本からの輸入が20%増となった。特定品目で変化がある中でも、日中間の貿易総額を構成する輸出入はともに前年同月を上回った。
貿易黒字は4カ月連続1000億ドル超
8月の輸入額は前年同月比28.2%増の2823億6000万ドルとなり、15カ月連続で前年を上回った。それでも輸出額が輸入額を大きく上回ったため、貿易収支は1190億9000万ドルの黒字となった。黒字額が1000億ドルを超えるのは4カ月連続となる。
1月から8月までの累計貿易黒字も8000億ドルを突破した。輸出額の大幅な増加に伴い、中国の貿易黒字は高水準で推移している。8月についても、外需による輸出拡大が貿易収支を押し上げる構図が鮮明となった。
輸出拡大続く一方で品目別の違い鮮明に
一方、中国が輸出管理を強めているレアアースの輸出量は前年同月比で約18%減少した。戦略物資の出荷が縮小する一方、自動車や半導体、AI関連製品などでは輸出が拡大し、品目によって異なる動きが表れている。
G20財務相・中央銀行総裁会議では、巨額の貿易黒字を抱える国に対し、輸出への依存を抑え内需を拡大するよう求める内容が議長声明に盛り込まれた。中国はこれに反発しているが、8月の統計では輸出の高い伸びが続き、貿易黒字も歴史的な高水準を維持した。
