東京市場で円買い優勢、153円台前半に上昇
9日の東京外国為替市場では、円を買ってドルを売る取引が広がり、円相場が上昇した。午後5時時点では1ドル=153円11〜13銭となり、前日と比べ69銭の円高ドル安となった。米国側から円売りをけん制する発言が伝わったことが、取引の流れを変える材料となった。
外国為替市場では、米財務長官の発言を受けて投資家が円売り姿勢を弱め、円を買い戻す動きが進んだ。東京市場では153円台前半まで円高が進み、前日から円の価値が持ち直す展開となった。市場参加者は米国の為替政策に関する姿勢を意識しながら取引を進めた。
ベッセント財務長官の発言が円買い促す展開
円相場を押し上げるきっかけとなったのは、ベッセント米財務長官による円売りを抑制する趣旨の発言だった。投機的な円売りをけん制したと伝えられたことで、市場では円を買い、ドルを売る取引が増加した。米政府高官の発言が為替市場で強く意識された形だ。
円相場を巡っては、投資家が政策当局の発言を材料に持ち高を調整する場面が続いている。今回もベッセント氏の発言を受け、これまで円を売っていた参加者の間で円を買い戻す動きが広がった。こうした取引が重なり、円高方向への動きを支えた。
日銀利上げ観測で日米金利差縮小も意識
円買いの背景には、日本銀行の金融政策を巡る市場の見方もある。市場では日銀が利上げを進めるペースが速まるとの見通しが意識されており、日米の金利差が縮小するとの観測が円買いにつながった。金利差はドルと円の取引を左右する重要な材料となっている。
日米の金利差が縮小するとの見方が強まれば、相対的に円を売ってドルを保有する取引の魅力が低下する。9日の市場では米財務長官の発言と日銀の政策を巡る観測が重なり、円高方向への動きが強まった。複数の材料が同時に円買いを後押しした格好となった。
ユーロに対しても円高、協調介入意識する声
円はドルだけでなくユーロに対しても上昇した。午後5時時点では1ユーロ=178円26〜30銭となり、前日と比べ34銭の円高ユーロ安だった。ユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.1642〜43ドルで推移した。
市場では、米財務長官の発言を受け、日米が再び協調して為替市場に対応するとの見方を意識する声も出た。外為市場の参加者にとって、政策当局による為替への姿勢は円相場を判断するうえで重要な要素となる。9日はこうした政策面への警戒感が取引に反映された。
日銀審議委員の講演控え金融政策発言に注目
市場の関心は10日午前に予定される日銀の増審議委員の講演にも向かっている。市場参加者は、今後の日銀の金融政策や利上げの方向性について具体的な言及があるかを注視している。日銀の政策に関する発言は、日米金利差への見通しを通じて円相場に影響を与える要因となる。
9日の円相場は、米財務長官による円売りけん制と日銀の利上げ観測を背景に153円台前半まで上昇した。今後は米国側の為替を巡る姿勢に加え、日銀関係者から示される金融政策の方向性が市場の焦点となる。東京市場では政策当局の発言を見極めながら円相場の動きを探る展開が続く。
