第3四半期の純利益が拡大し市場予想を大幅に超過
米金融大手ゴールドマン・サックスが10月13日に公表した2026年第3四半期(7~9月期)決算は、株式トレーディングと投資銀行部門の好調を受け、市場予想を上回る利益を確保した。中東情勢の影響で金融市場の変動が拡大したほか、企業の資金調達支援や合併・買収(M&A)案件の増加が収益を押し上げた。
純利益は前年同期の41億ドルから52億9000万ドルへ増加した。1株当たり利益は前年の12.25ドルに対して17.01ドルとなり、市場予想の13.02ドルを大きく上回った。総純収入も前年同期比23%増の186億8000万ドルに達し、同社の四半期実績として過去2番目の水準となった。
株式取引の収益が急増し債券部門との明暗鮮明
業績を大きく押し上げたのは株式トレーディング事業だった。同部門の収入は64億4000万ドルとなり、前年同期から72%増加した。市場予想の50億9000万ドルを大幅に超え、過去最高を記録した第2四半期に続いて高い収益水準を維持した。
一方、債券・為替・商品を扱うFICC部門の収入は34億7000万ドルにとどまり、前年同期から1%減少した。市場が見込んでいた37億2000万ドルにも届かなかった。
デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は9月の時点で債券関連事業の減速を示していた。今回の決算では株式取引の拡大が債券部門の弱さを補い、市場業務全体の収益を支える結果となった。
投資銀行業務が成長し大型資金調達案件に関与
投資銀行部門も好調だった。手数料収入は前年同期比21%増の32億2000万ドルとなり、株式や債券の発行支援、企業取引に関する助言業務が拡大した。特にアドバイザリー収入は18%増加し、同行として過去最高を記録した。
大型案件では、米半導体大手インテルによる230億ドル規模の株式発行で共同主幹事を務めた。また、韓国SKハイニックスによる265億ドル規模の米国での株式発行では、グローバルコーディネーターを担当した。
このほか、米半導体大手エヌビディアによる台湾メディアテックへの35億ドルの投資案件や、ニューヨーク・ヤンキースの26億ドルの資金調達にも関与した。複数の大型取引が投資銀行事業の収益拡大につながった。
資産運用事業も増収となり収益基盤の拡大が進展
資産運用・ウェルスマネジメント事業の収入は前年同期から14%増加した。同事業では運用管理手数料収入が過去最高となり、株式取引や投資銀行業務以外でも増収を確保した。
同社の運用資産残高は4兆1000億ドルとなった。顧客資産の純流入額は830億ドルに達し、資産運用事業の規模を維持した。
また、第3四半期には上場投資信託(ETF)運用会社NEOSインベストメンツを22億5000万ドルで取得した。商業用不動産投資会社LCNキャピタル・パートナーズについても、最大4億1000万ドルで買収した。これらの取引を通じ、資産運用事業の拡充を進めた。
好決算を受けて株価上昇も年初来の伸びは限定的
決算発表を受け、ゴールドマン・サックスの株価は10月13日の米国市場で上昇した。米東部時間午前9時33分時点では前日比25.46ドル高の919.41ドルとなり、上昇率は2.85%を記録した。
ただし、同社株の2026年初めからの上昇率は約1.7%にとどまっている。同業のモルガン・スタンレーやS&P500種株価指数と比較して、株価の伸びは限定的だった。
今回の決算では、株式取引と企業向け金融サービスが利益成長をけん引した一方、債券関連業務には減収が見られた。年率換算の自己資本利益率(ROE)は18.7%となり、市場予想の14.0%を上回った。複数の主要事業で市場予想を超える収益を確保したことが、四半期全体の好業績につながった。
