公明党が現金給付を柱とする物価高対策の提言を決定
公明党は10月15日、党の政務調査全体会議を開き、食料品に適用される消費税率の引き下げに代わる家計支援策を取りまとめた。政府が2027年4月から2年間実施する方針を示している税率1%への引き下げについて、制度変更に伴う負担が大きいとして再考を求めた。
代替案の中心となるのは、2年間で国民1人につき約8万円を支給する措置だ。公明党は、税率変更を通じて消費者の負担を軽くする方法よりも、直接的な資金支援を実施する方が適切だと判断した。
今回の提言では、物価上昇に対応するため、家計に支援が届くまでの速さと確実性を重視している。
食料品の税率変更に伴う事業者負担と費用増加を問題視
政府が検討する食料品の消費税減税は、2027年4月に税率を1%へ変更し、その状態を2年間維持する内容となっている。これに対して公明党は、税制上の変更が農林漁業者や飲食店などの事業活動に影響を及ぼす点を問題として挙げた。
税率の変更には、事業者側での対応が必要となるほか、制度を実施する過程で追加費用が発生する。公明党は、こうした支出を伴う政策について、家計支援の手段として効率性に欠けるとの立場を示した。
また、消費税率が下がった場合でも、その効果が販売価格に完全に反映されるとは限らないと指摘した。税負担の軽減額と消費者が実際に受ける恩恵が一致しない点を、現行の政府案に対する懸念として明記している。
2年間で約8万円を支給する代替案の内容を提示
公明党が打ち出した給付案では、政府の減税期間と同じ2年間を対象に、国民1人あたり約8万円を配分する。物価高による家計への影響を緩和するため、消費税率の変更ではなく、金銭を直接支給する仕組みを採用する考えだ。
党は、同程度の財源を使用するのであれば、現金を受け取る方法の方が国民の希望に沿うと主張している。税率変更による間接的な負担軽減ではなく、支援額を明確に示せることが提案の特徴となっている。
ただし、中野政務調査会長は会議終了後、約8万円という支給額について、現段階で提示した選択肢の1つであると説明した。今回取りまとめた内容は政府に対する提案であり、給付の実施が決定したわけではない。
減税終了後の税負担増加にも懸念を表明する公明党
公明党は、期間限定の減税が終了した後に生じる家計への影響についても問題を提起した。政府案では食料品の税率を2年間に限って引き下げるため、措置が終了すれば消費者の税負担が再び増えることになる。
党の提言では、この税負担の増加が家計に大きな影響を与えると指摘している。一時的に消費税率を変更する方法について、減税期間中だけでなく、終了時の負担も含めて検討する必要があるとの認識を示した。
さらに、税率引き下げによる価格面の効果が不確実であることと、実施に伴う事業者の費用負担を合わせて問題視した。こうした理由から、直接給付を優先するよう政府に求めている。
他の野党との協力を通じて政府案の見直しを要求へ
中野政務調査会長は15日の会議後、政府の政策を変更するため、他の野党にも協力を呼びかける考えを明らかにした。同じ規模の財源を活用する場合、国民に直接資金を届ける政策の方が望ましいとの立場を改めて説明した。
今回の提言は、消費税減税に伴う事業者の負担、消費者への価格転嫁、減税終了後の家計への影響という複数の問題を踏まえてまとめられた。
公明党は、2年間で1人約8万円を支給する案を政府に提示し、物価高対策の実施方法そのものを変更するよう求めている。政府案と公明党の提案は、いずれも家計支援を目的とする一方、税率引き下げと現金支給という異なる手段を採用している。
