冬のエネルギー需要増加に備えた家計支援策を決定
政府は物価上昇への対応を重要課題に位置付け、冬の電気代とガス代を抑える措置を決めた。高市首相が29日夜、首相官邸で今後の支援内容を説明した。
前の冬は1月に補助が始まったが、今回は12月から適用する。気温が下がり、暖房機器の使用が増える時期に合わせた変更となる。
首相は日本の物価上昇率について、主要7カ国(G7)の中で最も低い水準にあると説明した。その上で、家計への影響を和らげる取り組みを引き続き重視する考えを示している。
電気代の補助額は年明けから大幅に引き上げる方針
今回の支援では、電力使用量に応じて料金を引き下げる仕組みが採用される。2026年12月分は1キロワット時につき1円、2027年1月と2月分はそれぞれ4.5円を補助する。
年明けの補助単価は12月の4.5倍となる。電力需要が高まる時期に、料金の軽減幅を拡大する設計だ。
都市ガスについても同じ3カ月間に支援を行う。政府は電気とガスの補助を合算し、一般的な使用量の家庭で約7000円の負担減につながると試算している。なお、実際の軽減額は各家庭のエネルギー使用量によって異なる。
これまでの料金対策と今回の実施期間を整理
電気・ガス料金への公的支援は、ロシアによるウクライナ侵攻後に燃料価格が上昇したことを背景として、2023年1月使用分から始まった。その後はエネルギー市場の状況に応じて、実施と中断を繰り返している。
2026年夏には、中東情勢による燃料価格への影響を受け、7月から9月まで料金を引き下げる措置が取られた。標準的な家庭における3カ月間の軽減額は、電気とガスを合わせて約5600円とされていた。
政府が2023年以降に電気・ガス料金の補助へ計上した予算は、累計で5兆6000億円余りに達する。今回も一定期間に対象を限定し、冬季の負担を抑制する。
北海道や東北の灯油価格にも追加の対応を実施
政府は電気とガスに加え、寒冷地で暖房用燃料として使われる灯油にも対策を講じる。北海道や東北などでは灯油価格の上昇傾向が続いており、地域ごとの供給状況も課題となっている。
高市首相は、灯油が特定の地域に偏る事態を防ぐため、流通面での支援を実施する考えを明らかにした。特に価格が高い輸入灯油を対象とした財政措置を含め、供給を円滑にする方針である。
こうした対応は、電気・ガス料金の引き下げとは別に進められる。冬のエネルギー対策として、家庭で利用される複数の燃料を対象に支援を行う。
2027年3月以降の支援継続は価格動向を踏まえ判断
現時点で決定している電気・ガス料金の補助期間は、2026年12月から2027年2月までとなる。3月以降については、気象条件や燃料価格の推移を確認した上で、政府が改めて対応を検討する。
首相はまた、食料品の価格上昇率が他国と比べて高い状態にあると指摘した。2027年4月以降の食料品に対する消費税率引き下げについても、必要な政策との認識を示している。
政府の物価対策は、冬の光熱費補助にとどまらず、灯油の供給対策や食料品の税負担軽減にも及ぶ。電気・ガス料金については、まず3カ月間の支援を実施することが決まった。
