全米で期日前投票が急増し過去の選挙記録に迫る
2026年11月3日に実施される米国の中間選挙で、投票日前から有権者の参加が広がっている。10月29日時点の期日前投票数は4300万票を超え、1日当たり400万〜500万票という高い水準で推移した。
今回の投票動向は、過去の中間選挙と比較しても際立っている。2018年には1914年以来の投票率記録が更新されたが、今回も記録的な参加規模となることが注目されている。
米国では新型コロナウイルスの感染拡大以降、投票日前に選挙権を行使できる制度が広く利用されるようになった。2020年の大統領選挙では全投票の3分の2以上が期日前に行われ、その約半数を郵便による投票が占めた。
民主党支持者の投票増加と無党派層の動向に関心
政党登録情報を利用できる州の集計では、民主党支持者による投票が前回の中間選挙より増えている。一方、共和党支持者の参加規模は2022年とほぼ変わらない。
期日前投票の内訳は民主党支持者が44%、共和党支持者が31.2%、政党に属さない有権者が24.7%だった。ただし、登録上の支持政党と実際の投票先は必ずしも一致せず、この数字だけで各候補の得票状況を判断することはできない。
特に無党派層の投票が増えている点も特徴だ。支持政党を明らかにしていない人々がどの候補を選んだのかは、投票者数の集計からは確認できない。
テキサス州などで投票参加が拡大し地域差も鮮明
接戦が続くテキサス州では、期日前投票が580万票を突破した。2022年の同時期と比べて約175万人多く、従来の水準を大幅に上回っている。
同州のメキシコ国境周辺では、ヒスパニック系住民が人口の90%以上を占める郡で投票が活発化している。地域によっては、期日前投票だけで前回の中間選挙全体の投票数を超える状況も視野に入っている。
ノースカロライナ、ジョージア、フロリダの3州でも、ヒスパニック系とアフリカ系の有権者による参加が増えた。一方、白人有権者の期日前投票数は前回とほぼ同じ水準だった。
郵便投票から投票所での直接投票へ変化が進む
期日前投票の利用が定着する一方、投票方法には変化が生じている。近年は郵送よりも、指定された投票所に出向いて投票する方式を選ぶ人が増加している。
郵便投票には、記入上の不備によって票が無効になる問題がある。また、郵便制度の運用に対する不安も指摘されているが、投票方法の変化とこうした懸念の因果関係は確認されていない。
ミネソタ州ミネアポリスでは10月29日、大統領選挙を伴わない選挙として、期日前投票数が過去最多となったことが発表された。各州では投票日の接近に伴い、事前受付の終了が順次進んでいる。
議会多数派の争いと有権者の政治参加が焦点に
今回の中間選挙では、上院100議席のうち35議席と下院435議席すべてが改選対象となる。共和党が上下両院の主導権を維持するか、民主党が議会運営で影響力を取り戻すかが中心的な争点だ。
民主党は下院で過半数の獲得を目指し、上院でも両党が競り合う情勢となっている。議席配分の変化は、トランプ大統領が進める政策や予算案の審議にも直接関係する。
選挙直前の投票増加は、各地域で政治参加が活発になっていることを示している。ただし、期日前投票の政党別構成が最終結果と一致するわけではない。11月3日の投開票によって、連邦議会の新たな勢力関係が明らかになる。
