投信市場の動向と変化
2025年2月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く、以下ファンド)の推計資金流出入データが公表された。1月に過去最大の資金流入を記録した外国株式ファンドは、2月に入り大幅な減少を見せた。特にインデックス型の外国株式ファンドの資金流入が鈍化し、市場環境の影響が大きかったと分析されている。
外国株式ファンドの資金流入が大幅減少
2月の外国株式ファンドの資金流入は1兆2,400億円となり、1月の1兆9,700億円から約7,300億円の減少を記録した。特にインデックス型ファンドの流入額は1兆4,400億円から7,400億円へと約半減した。米国株式ファンドを中心に、全世界株式や先進国株式の流入も急減している。これは1月にNISA口座、特に成長投資枠からの投資が活発だった反動と見られる。
市場環境の影響とNISA口座の買付動向
2025年1月のNISA口座における投信の買付は証券10社のみで約1.5兆円に達し、前年同月比で大幅に増加していた。しかし、2月に入り成長投資枠からの買付が減少し、それに伴いインデックス型ファンドの資金流入が鈍化。さらに、米国株式の下落や円高の進行も投資行動に影響を与えたとみられる。
一方で、アクティブ型の外国株式ファンドは4,600億円の資金流入があり、1月の5,000億円からの減少幅はインデックス型よりも小さい。特にNISA対象外のアクティブ型ファンドの販売は比較的堅調だった。
国内株式ファンドや金関連ファンドの動向
2月の国内株式ファンドの資金流入は1,800億円となり、1月の500億円から大幅に増加した。これは日経平均株価の下落を受け、逆張り投資を狙った資金流入が活発だったことが背景にあると考えられる。一方で、国内外の債券ファンドやREITファンドは引き続き流出超過の状況が続いている。
また、金関連ファンドが注目を集めており、2月には600億円の資金流入が確認された。世界経済の不透明感が増す中、金への資金シフトが進んでいる可能性がある。
中国株式ファンドのパフォーマンスに注目
中国株式ファンドは1月の市場上昇を受けて高いパフォーマンスを示したものの、2月は引き続き少額の資金流出が続いた。特に中国AI企業への関心が高まる中、今後の販売動向が注目される。
まとめ:1月の反動と市場環境の影響が顕在化
2025年2月の投信市場では、1月の活発なNISA口座からの買付の反動と、市場環境の変動が影響し、インデックス型外国株式ファンドの資金流入が急減した。一方で、国内株式ファンドや金関連ファンドへの資金流入は堅調であり、市場の不安定さを反映する形となった。今後の市場動向に注目が集まる。