米国ハイテク株高で朝方は上昇も、利益確定売りが優勢に
2025年5月14日、東京株式市場で日経平均株価は前日比55円13銭安の38,128円13銭と、5営業日ぶりに反落した。朝方は米国市場でのハイテク株高を受けて一時142円高まで上昇したが、前日までの4連騰による過熱感から利益確定売りが広がり、下落に転じた。一時は331円安まで下落する場面もあった。
円相場の上昇で輸出株が軟調、TOPIXに調整圧力
為替市場ではドル円が147円台前半まで円高が進行し、自動車や精密機器などの輸出関連株に売りが出た。これにより、東証株価指数(TOPIX)も前日比8.85ポイント安の2,763.29と、14営業日ぶりに反落した。TOPIXの13連騰は約15年9カ月ぶりの記録的な上昇だった。
半導体関連株は堅調、ソフトバンクグループやソニーも上昇
一方、米国市場での半導体株高を背景に、東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連株は堅調に推移した。また、ソフトバンクグループやソニーグループも上昇し、指数を下支えした。特に、アドバンテストは前日比4.87%高、ソフトバンクグループは3.89%高となった。
市場全体に調整ムード、売買代金は5兆円超え
東証プライム市場の売買代金は概算で5兆4,483億円と活況を保ったが、値下がり銘柄数は1,033、値上がりは570、横ばいは30と、下落銘柄が全体の過半数を占めた。市場では、前日までの急上昇による達成感や、円高進行、企業業績への懸念が売り材料として意識され、調整ムードが広がった。
今後の注目材料は業績見通しと為替水準、上値追いには新展開が鍵
市場では、今後の展開を占う上で企業の業績見通しと為替相場の動きが注視されている。TOPIX構成企業の2026年3月期純利益は、前年同期比で6.3%の減益が予測されており、これが株価の上昇を抑制する一因となっている。一方で、米中間の貿易摩擦に対する警戒感が後退したことは相場を支える材料となっているものの、さらなる上昇には新たな買い材料の出現が必要との見方が広がっている。