一時停止の再延長を明確に否定
トランプ大統領は8日、SNS上で相互関税の発動時期について「再延長は行わない」と明言し、8月1日の実施が確定したと強調した。前日7日には、一時的に期限を7月9日から8月1日へ先送りする大統領令に署名していたが、今回の発言でさらなる延期の可能性を完全に否定した形となる。
日本を含む14カ国が対象、関税率は25%
今回の関税措置は、日本や欧州を含む14カ国が対象となっており、日本製品に対しては25%の関税が適用される。大統領は同時に、対象国への書簡送付を継続する意向も表明し、外交圧力を強める姿勢を明確にしている。日本にとっては、自動車や機械などの輸出品に直接的な影響が及ぶ。
日本政府は遺憾を表明、交渉継続を強調
石破首相は8日、「合意に至っていないのは安易な妥協を避けた結果」と説明し、米国による追加関税の決定について「極めて遺憾」との見解を示した。政府は依然として協議の継続に可能性を見出しており、米側との合意形成を模索している。
赤澤経済再生担当相が米高官と会談
この方針を受け、赤澤経済再生担当大臣はアメリカのラトニック商務長官およびベッセント財務長官とそれぞれ電話会談を実施。関税措置に対する日本側の懸念を伝えるとともに、経済的影響を抑制するための調整を進める方針で一致した。
日本側の警戒と一定の安堵が交錯
政府関係者の間では「関税率がこれ以上引き上げられなかった点は評価できる」との声もある一方、トランプ大統領の発言が急変する可能性が常にあるとして、「依然として交渉は厳しい局面にある」との認識が広がっている。政府は、今後の交渉次第で方針が再修正される可能性も視野に入れつつ、緊密な情報共有を続ける構えだ。