半導体受託製造の世界最大手が決算を発表
台湾のTSMCは、第2四半期において過去最高の売上高と純利益を計上した。AI向けの先端製品が好調で、6期続けて業績が上昇した形となる。
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売上高は4兆円超え、利益も2兆円規模に
発表によると、売上高は9337億台湾元(約4兆7000億円)で前年同期比38.6%増、純利益は3982億台湾元(約2兆円)で60.7%の増加となった。特に生成AIや高性能演算装置向けの受注が急増しており、先端プロセス技術の優位性が収益を押し上げた。
成長基調が続く中、供給体制の強化も進行
TSMCは直近の四半期で記録的な業績を上げただけでなく、次の四半期についても「堅調な需要が続く」として、今後も増収基調が維持される見通しを示した。とくにAI用途の需要が継続的に拡大していることが背景にある。
熊本第2工場はインフラ整備に応じて年内着工
同社トップの魏哲家氏は、熊本の第2製造拠点に関し、現地インフラの整備状況に合わせて年内に工事を始める計画であると語った。これは、顧客の分散化とサプライチェーンの強化を目指す取り組みの一環と位置づけられる。
台湾を拠点に世界市場を主導するTSMCの展望
TSMCは今後も先端半導体市場において主導的な役割を果たすとみられる。AI・自動運転・高速通信など成長分野に対する需要が長期的に見込まれる中、地政学的リスクを抑えるための分散投資と設備拡充が重要課題となる。