日本市場での人員増強計画が明らかに
ブルックフィールドは日本での再保険事業を強化する方針を示し、今後5年で日本法人の人員を20人以上に拡大する計画を打ち出した。現時点では日本法人には2名が在籍しており、事業拡大に合わせて段階的に増員を進める。サチン・シャーCEOは、日本市場が米国に次ぐ主要拠点となる可能性があるとし、長期的な投資基盤を整える意向を示した。
国内生命保険会社との提携協議が進展
同社は複数の国内生命保険会社とパートナーシップ構築に向けた協議を進めている。日本の保険市場は世界有数の規模を誇り、2024年3月末時点で契約高は892兆8920億円に達する。再保険分野はまだ発展途上にあり、海外勢にとって参入の余地が大きい分野として注目されている。
年間7350億円規模の契約獲得を目標
ブルックフィールドは年間30億~50億ドル(約4400億~7350億円)規模の再保険契約獲得を計画している。資産運用では、全体の50~60%を債券に配分し、残りを不動産およびインフラに投資する戦略を取る。不動産とインフラは30年以上の投資経験があり、安定した高い収益を生む分野と位置付けている。
海外投資会社による参入が相次ぐ状況
近年、日本の再保険市場には米投資ファンドKKRやアポロ・グローバル・マネジメント傘下の企業も参入している。これらの企業は保険契約を裏付けとした資金運用を進め、資産拡大を図っている。ブルックフィールドもこうした流れに加わり、市場での競争力強化を目指す。
投資運用戦略と市場見通しが示された
シャーCEOはプライベート・クレジット分野について「過剰な参入によりリターンは低下している」と指摘。一方で、不動産やインフラは競争が比較的少なく、高い収益が期待できるとの見方を示した。今後も日本市場を成長の柱とし、再保険事業を積極的に展開していく姿勢が示された。