売上高の過大計上が大規模に判明
AI企業「オルツ」が計119億円超の売上高を不正に計上していたことが第三者委員会の調査で判明した。主力の議事録作成サービスに利用実態のない取引を売上として計上し、これが21年から23年までの売上の大半を占めていた。
東京証券取引所が異例の迅速対応を発表
東京証券取引所は30日、オルツを8月31日付で上場廃止とする決定を下した。新規上場から10カ月余りでの廃止は極めて異例であり、同取引所は虚偽情報が上場審査に重大な影響を及ぼしたと説明した。
財務悪化で民事再生法を申請
不正会計の影響でオルツの財務は急速に悪化し、同日東京地裁に民事再生法の適用を申請した。再建のためスポンサー企業を募る方針を示し、不正に起因する債務の適正な処理を進めるとした。
市場関係者が再発防止への意識を強調
日本取引所グループの山道裕己CEOは会見で「極めて深刻な事態」と述べ、監査法人や証券会社と連携し再発防止策を検討する意向を表明した。監査の限界を認めつつも、市場信頼回復への取り組みを強調した。
主幹事証券も審査強化の方針を発表
大和証券の吉田光太郎CFOは「社内調査では規定に沿った審査を実施した」としつつ、今後の体制強化を明言した。投資家への損失発生を受け、企業資料改ざんリスクへの対応を強化する必要性を認めた。