M8.8の地震発生と太平洋沿岸への影響が判明
ロシア・カムチャツカ半島沖で7月30日、M8.8の地震が発生した。震源は半島の南西約350キロメートルで、広範囲な揺れにより太平洋全域に津波警報が出された。ハワイや米西海岸、日本の太平洋沿岸地域に警報が広がり、各地で避難指示が発令された。
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ロシア沿岸で大規模津波と避難状況が確認
千島列島北部のセヴェロクリリスクでは最大5メートル超の津波が到達し、住民約2000人が避難した。ロシア科学アカデミーは一部地域で10~15メートルの波高に達した可能性も指摘している。被害は限定的で死傷者の報告はないが、沿岸部では工業施設や漁港が浸水し、電力網が損傷した地域に非常事態が宣言された。
日本各地で津波観測と警報解除が進展
日本では北海道から和歌山の太平洋沿岸に津波警報が発令され、岩手県久慈港では1.3メートルの津波が観測された。政府は30日中に注意報へ切り替え、31日午後には全て解除した。避難指示は200万人規模に及び、福島第一原発でも4000人が一時避難したが、施設への影響は確認されなかった。
ハワイや米西海岸でも津波による避難発令が判明
ハワイ州ではマウイ島で1.74メートル、オアフ島で1.2メートルの津波が観測され、沿岸住民や観光客が高台に避難した。米国西海岸カリフォルニア州でも1メートル超の津波が観測され、カナダや中南米、オセアニアでも注意報が出された。
地震後の火山噴火と環太平洋火山帯の活動が注目
地震後、カムチャツカ半島のクリュチェフスカヤ山で溶岩流を伴う噴火が発生した。専門家は地震と関連する可能性を示している。今回の地震は環太平洋火山帯での活発な地殻活動を反映し、2010年チリ地震と並ぶ史上6番目の規模とされる。