首脳会談の概要と日程が判明
米国とロシアの首脳会談が8月15日午前11時30分(日本時間16日午前4時30分)から、アラスカ州エルメンドルフ・リチャードソン統合基地で行われる。冒頭はトランプ大統領とプーチン大統領による1対1の協議が予定され、その後は両国の高官らが参加する拡大会合に移行し、昼食を共にしながら続けられる見通しだ。
共同記者会見と参加者構成
会談後には共同記者会見が行われる予定で、ロシア側からはラブロフ外相、ベロウソフ国防相、ウシャコフ大統領補佐官、ロシア直接投資基金のドミトリエフ総裁ら5名が参加する。米国側の参加者詳細は未公表だが、外交・安全保障分野の要人が加わるとみられる。成果文書の署名は予定されていない。
プーチン氏の米政権評価
14日にモスクワで開かれた政府高官・軍幹部会議で、プーチン氏はウクライナ紛争の解決に向けた米政権の姿勢を「精力的かつ誠実な努力」と高く評価した。さらに、今回の会談で核軍縮分野においても合意に至る可能性があるとの認識を示した。
核軍縮と安全保障の課題
米露間の新戦略兵器削減条約(新START)は2026年2月5日に期限を迎える。プーチン氏は、戦略的攻撃兵器の管理に関する合意が成立すれば、米露だけでなく欧州や世界全体の長期的な平和の基盤になると述べた。これにより、今回の会談はウクライナ問題に加え、安全保障全般に関する幅広い議論の場となる見通しだ。
ウクライナ政府、会談の外交的駆け引きに懸念
ウクライナ政府関係者は匿名を条件に、ロシアが核軍縮や経済協力を持ち出し、トランプ氏の関心をウクライナから逸らそうとする可能性を指摘。「ロシアの戦略的目的は制裁回避と解除であり、全土支配の手段を模索している」との見方を示した。今回の首脳会談は、和平への一歩となるか、あるいは駆け引きの場となるかが注目される。