首都で州兵配備強化が発表
トランプ大統領は8月11日、首都ワシントンの治安が「制御不能」として緊急事態を宣言し、警察を連邦の管轄下に置いた。さらに州兵の投入を命じ、800人が既に市内に展開している。これに加え、16日にはウェストバージニア州から300~400人の兵士が派遣されることが発表され、軍事的な警備が一層強まる見通しとなった。
首都ワシントンで州兵派遣に反発する市民集会
16日、ワシントン市内の広場からホワイトハウスへ向けて、1000人を超える人々が「軍による支配を許すな」と訴えながら行進した。参加者の多くは「民主主義への重大な脅威だ」と声を上げ、一部は配備された兵士に面と向かって反対を示した。ただし、大きな衝突や混乱は発生していない。
政権の主張と市長の反論
政権側は治安の悪化を強調する一方、ワシントンのバウザー市長は「凶悪犯罪件数は過去30年で最低水準」と指摘し、政権の判断に疑問を呈している。司法長官のシュワルブ氏も「権限掌握は違法の可能性がある」として連邦地裁に提訴し、法廷闘争に発展する構えを見せている。
武装化準備の報道
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、既に配備されている州兵が近く武器を携行する準備を進めていると報じた。国防総省は従来「州兵は非武装」と説明していたが、今後の方針転換が注目される。市民の懸念は一層強まっている。
民主主義をめぐる対立の深まり
ワシントンは民主党支持が強い地域であり、共和党のトランプ大統領による権限拡大は政治的意図を帯びたものとみられている。抗議活動は「他都市にも広がり得る」との声も出ており、治安対策をめぐる議論は今後さらに激化すると予想される。