米国市場の流れを受けた東京株式の動き
4日の東京株式市場では日経平均株価が大幅に反発し、前日比641円38銭高の4万2580円27銭で取引を終えた。米国市場で金利上昇が落ち着き、ナスダックが上昇に転じたことが投資家心理を後押し。東京市場でも半導体やハイテク関連を中心に買いが広がり、先物買いを背景に上昇幅は一時669円まで拡大した。
金利動向と投資家心理の改善が影響
米国や欧州で意識されていた財政リスクを背景に直近で金利上昇圧力が強まっていたが、3日の市場で金利上昇が一旦落ち着いたことが東京市場に安心感をもたらした。国内でも長期金利が低下し、債券急落懸念が後退したことで金融株が買い戻された。リスク許容度の回復が広範な銘柄の上昇につながり、プライム市場全体の約7割が値上がりした。
個別銘柄の動向と寄与度
個別では、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、ファーストリテイリング、フジクラ、ソニーグループが上昇し、指数押し上げに大きく貢献。5銘柄の合計で約461円分を日経平均に寄与した。フジクラは年初来高値を更新し、電線需要拡大期待を背景に注目を集めた。一方、ニデックは中国子会社での不適切会計処理疑惑が嫌気され、ストップ安に沈んだ。信越化学やキーエンスも売られ、指数の押し下げ要因となった。
業種別上昇率と物色の流れ
東証33業種のうち29業種が値を上げ、特に銀行業が上昇率で首位に立った。続いて非鉄金属、保険、情報・通信、鉄鋼が堅調となった。金利の落ち着きを背景に金融株への買いが集まったほか、データセンター需要を追い風に電線株も堅調。一方で鉱業、ゴム製品、化学、繊維製品は軟調だった。
市場全体の評価と今後の展望
東証プライムの売買代金は概算で4兆3217億円、出来高は18億7689万株に達し、市場は活況を示した。市場関係者の間では「25日移動平均線が下値支持線として意識されており、相場の底堅さが確認できる」との指摘があった。循環的な物色が広がるなかで内需株や医薬品株が買われ、全体として安定的な動きが続くとの見方が強まった。