再建計画発表の背景と狙い
東京電力ホールディングスは26日、第5次総合特別事業計画を発表し、政府の認定を受けた。福島第1原発事故に伴う廃炉・賠償費用は16兆円超に上り、長期的な財務圧迫が続いている。今回の計画は、企業価値の向上と安定的な事業運営を両立させることを目的としている。
電力需要拡大を見据えた事業環境
生成AIの普及やデータセンター増設により、国内の電力需要は中長期的に増加すると見込まれている。一方で、設備投資に必要な資金を自社のみで賄うことは難しい状況にある。このため、外部の知見と資本を取り入れ、成長分野への対応力を高める戦略を打ち出した。
合理化と投資抑制による費用削減
経営合理化では、投資計画や費用構造を見直し、2025~2034年度の10年間で約3兆1千億円のコスト削減を見込む。人件費や設備関連費の抑制を進めることで、収益体質の改善を図る。28年度以降はフリーキャッシュフローの黒字化を確保する計画としている。
資産売却と収益構造の改善
資金確保策として、3年以内に約2千億円規模の資産売却を実施する方針を示した。加えて、柏崎刈羽原発の再稼働による購入電力料の減少を織り込み、収益構造の改善を狙う。原子炉が1基稼働した場合、年間で約1千億円の収支効果があるとしている。
脱炭素電源拡大と将来の収益見通し
同社は2040年度に電力供給の6割超を脱炭素電源とする目標を掲げている。燃料価格の低下も追い風となり、2027年3月期には経常利益約2766億円を見込む。原発再稼働と脱炭素投資を両立させ、持続的な黒字経営への道筋を示した。
