市場環境の変化が業績を左右
国内外の株式市場が堅調に推移したことで、証券大手の業績に明確な追い風が生じた。2025年4~12月期は、日経平均株価が高水準で推移し、個人投資家の取引環境が改善した時期と重なる。株価上昇は売買機会を広げただけでなく、保有資産の評価額増加を通じて、証券各社の収益基盤を底上げした。
資産管理型収益の拡大が鮮明
顧客から預かる資産残高に連動する手数料収入が、各社の利益成長を支えた。投資信託やファンドラップといった長期運用商品への資金流入が続き、残高増加が安定的な収益源となった。売買手数料に依存しない構造が進み、収益の変動幅を抑える効果も確認された。
各社決算にみる増益の内訳
野村ホールディングスは、顧客資産の増勢が業績に反映され、純利益は2,881億円に達した。大和証券グループ本社は、資産一任型商品の契約数が伸びたことで、1,254億円の利益を確保した。みずほ証券では、M&A分野を中心とする法人向け業務が収益を押し上げ、大幅な増益につながった。
法人向け業務の存在感拡大
個人向けに加え、法人部門でも明るい材料が続いた。企業再編や株式非公開化の動きが相次ぎ、M&A助言など投資銀行業務が収益を押し上げた。国内案件に加え、海外を含むクロスボーダー取引も増加し、各社の法人向け収益は前年を上回った。
安定収益への転換と残る課題
資産管理型ビジネスへのシフトにより、収益の安定性は高まりつつある。一方で、国債利回りの急上昇など債券市場の変動は引き続きリスク要因とされる。証券各社は株式市場の好調を享受する一方、リスク管理を強化しながら事業運営を進めている。
