東京会議開催と新設されたアジア円卓会議の概要
民間非営利団体「言論NPO」が主催する国際会議「東京会議2026」が3月10日から東京都内で始まった。会議には世界12カ国のシンクタンク代表らが参加し、国際秩序の行方や各地域の協力の在り方が議題となった。
今回の会議では、多国間主義の再構築が主要テーマに掲げられている。米国など大国の影響力が強まる国際環境の中で、複数の国が連携して課題に対応する枠組みの重要性が議論の中心となった。
会議は12日まで続き、公開フォーラムや政策討論が予定されている。
岸田元首相が講演で示した国際秩序への問題意識
3月11日に開かれた公開フォーラムでは、岸田文雄元首相が基調講演を行った。講演では、近年の国際政治において「力の論理」が強まっている現状に触れた。
岸田氏は、大国の力関係だけでは解決できない地球規模の課題が存在すると指摘した。気候変動や安全保障などの問題には、多くの国が協力して取り組む必要があると述べた。
その上で、日本は日米同盟を基軸とする安全保障政策と、アジア諸国との多国間協力を両立させることが重要だと強調した。
国際フォーラムで各国関係者が議論を展開
公開フォーラムには、米国の第2次トランプ政権でウクライナ担当特使を務めたキース・ケロッグ氏や、イタリアのパオロ・ジェンティローニ元首相なども参加した。
登壇者は国際秩序の変化を踏まえ、外交や安全保障に関する議論を交わした。各国の立場や政策経験を踏まえた意見交換が行われ、多国間協力の課題と可能性が話し合われた。
参加者からは、国家間の対立が強まる中でも国際社会の協調を維持する必要性が指摘された。
アジア7カ国の代表が参加した新会議の意義
会議期間中の3月10日には、アジア地域に焦点を当てた「アジア円卓会議」が初めて開催された。
この会合にはアジア7カ国の現職・元閣僚や国会議員、中央銀行元総裁、国際機関関係者などが参加した。各国の代表は地域の安全保障や経済の課題について意見を交わした。
議論では、戦後の国際秩序が揺らぐ中でアジア諸国の連携を強める必要性が指摘された。
多国間協力と地域対話の重要性が確認
会議では、国際社会で大国の影響力が強まる状況に対し、地域協力を通じて対応する必要性が共有された。
参加者からは、力による秩序が広がる中でアジア諸国が戦略的な自律性を持つことの重要性が示された。また、対話の場を維持しながら共通の課題を議論する意義も確認された。
岸田氏は講演で「現実への対応と理想の追求を同時に進めることが重要だ」と述べ、国際社会における日本の役割について言及した。
