ガス田空爆を契機に報復攻撃が拡大
イスラエル軍は3月18日、ペルシャ湾に位置する世界最大級の天然ガス田の関連施設に対し空爆を実施した。イラン側の発表によると設備の一部が損傷したものの、生産は継続している。この攻撃を受け、イランは報復措置として周辺諸国のエネルギー施設を標的にすると表明した。
報復は同日から翌19日にかけて実行され、湾岸地域の複数の拠点が攻撃対象となった。紛争開始から20日目に入り、戦闘は新たな段階へ移行したとみられる。エネルギーインフラへの攻撃はこれまでにない範囲に拡大している。
カタールLNG拠点で大規模被害発生
イランはカタール北部ラス・ラファンの工業地帯を攻撃した。この地域には世界最大級の液化天然ガス生産施設が集積している。カタール国営企業は施設がミサイル攻撃を受け、大規模な被害が発生したと発表した。
火災は発生したが鎮圧され、従業員の安全は確認されたという。カタール政府は今回の攻撃を強く非難し、国家の安全保障に対する直接的な脅威と位置付けた。さらにイランの外交関係者に対し国外退去を命じる措置を取った。
サウジとUAEでも攻撃と迎撃相次ぐ
イランの攻撃はカタールにとどまらず、サウジアラビアやアラブ首長国連邦にも及んだ。UAEではガス施設に向けたミサイルが発射され、迎撃の影響で操業停止に追い込まれた。被害の詳細は限定的だが、エネルギー供給への影響が懸念される。
サウジでは複数のドローンが撃墜され、弾道ミサイルの迎撃も実施された。落下物により住民が負傷する事案も発生している。サウジ外相は記者会見で、圧力には屈しない姿勢を強調し、軍事的対応の権利を保持すると述べた。
原油価格急騰と市場への波及影響
主要ガス田への攻撃を受け、原油価格は1バレル当たり約112ドルまで上昇した。エネルギー供給の中枢が直接攻撃されたことで、市場は供給不安を強く意識した形となった。
今回標的となったガス田はイランの生産の大部分を担う重要施設とされ、被害の拡大は世界のエネルギー市場に波及する可能性がある。湾岸地域のインフラが同時に攻撃対象となったことで、供給網全体への影響が注視されている。
米国がイランに強硬警告を発出
トランプ米大統領は今回の事態について、イスラエルによる攻撃は事前に把握していなかったと説明した。その上で、イランがカタールなど第三国への攻撃を続ける場合、イラン国内の主要ガス田を破壊する可能性に言及した。
さらに、今回の報復は不当な行為であるとの認識を示し、追加攻撃が行われた場合には強力な対応を取ると警告した。中東全体を巻き込む衝突拡大の懸念が高まり、情勢は一層緊迫している。
