中東情勢の影響が製造分野に波及
住宅設備メーカーのTOTOは4月13日、ユニットバスを中心とした一部製品について、新規注文の受け付けを停止したと発表した。背景には中東地域の緊張の高まりがあり、石油関連原料の供給が不安定な状況となっていることがある。
同社は同日、関連する取引先へ通知を出し、受注対応の変更を周知した。受注の再開時期については現時点で示されておらず、供給状況の回復を見極める必要があるとしている。
ナフサ由来溶剤の確保が困難に
今回の対応の主因となっているのは、ナフサを原料とする溶剤の供給不足である。ナフサは石油から得られる基礎原料であり、住宅設備の製造工程でも幅広く利用されている。
調達に支障が出ている溶剤は、壁面や天井に装飾フィルムを貼り付けるための接着剤や、浴槽表面の仕上げ処理に用いられるコーティング剤などに含まれている。このため、特に浴室関連製品への影響が顕在化した。
トイレ製品など主力分野は通常運用
一方で、同社の主力分野である衛生陶器については、現時点で大きな影響は確認されていない。トイレ単体製品の製造および受注業務は通常どおり継続している。
製品ごとに使用する材料が異なることから、今回の供給問題は特定分野に限定された形となっている。同社は製品供給の維持に向けて、必要な材料の確保状況を引き続き注視するとしている。
海上輸送制限が供給網に打撃
TOTOは、ホルムズ海峡周辺での通航制限が原材料の確保を難しくしていると説明している。同海域は原油輸送の要衝であり、航行の制限が長期化すると化学原料の供給にも影響が及ぶ。
原材料の安定確保が難しい状況が続く場合、製造スケジュールや納期への影響が広がる可能性があり、企業活動全体への波及が懸念されている。
同業他社にも広がる資材コスト上昇
同業のLIXILも4月10日、石油由来原料やアルミニウムの価格上昇を受けて、生産や出荷、受注に制約が生じる可能性を公表した。原材料コストの増加が業界全体に影響を与え始めている。
複数の企業が資材確保の難しさに直面していることから、住宅設備市場では供給体制の見直しが課題となっている。今後は原材料調達の安定性が事業継続の重要な要素となる見通しである。
