中東情勢緊迫で供給減少が拡大
国際エネルギー機関(IEA)は4月14日、石油市場に関する月次報告書を公表し、2026年3月の世界の石油供給量が前月より約1割減少したと明らかにした。供給量は日量9700万バレルとなり、急激な落ち込みが確認された。
今回の供給減少は、中東情勢の悪化によりエネルギー輸送の重要拠点であるホルムズ海峡が実質的に閉鎖状態となったことが大きく影響したとされる。IEAはこの状況について、過去に例のない供給障害が発生したとの認識を示した。
海峡通過量が急減し物流に影響
報告書によると、2026年3月にホルムズ海峡を通過した原油および石油製品の量は、米国とイスラエルによるイランへの攻撃前と比較して大幅に減少した。通過量は日量約230万バレルにとどまり、従来の約1割程度の水準となった。
また、通過した石油のうち7割以上がイラン産で占められていたと分析されている。この輸送量の急減は、世界各地への供給網に大きな影響を及ぼす要因となった。
4月も供給減少が続く見通し
IEAは4月についても供給量の回復は見込みにくいとの見方を示した。4月の世界の供給量は日量9420万バレルまで減少する可能性があるとされ、前月よりさらに低い水準になると予測している。
このような状況は、エネルギー市場全体に不安定要因をもたらすと指摘されている。特に輸送経路の制約が長期化した場合、供給の停滞がさらに深刻化する可能性がある。
ロシアの輸出収入が急増
一方、報告書ではロシアの動向にも言及された。原油価格の上昇が続く中、ロシアの原油および石油製品の輸出収入は2026年3月に190億ドルとなり、前月から倍増したと説明されている。
価格上昇による収益増加は、エネルギー市場の供給状況が収益構造にも影響を及ぼしていることを示している。供給量の減少と価格の上昇が同時に進む状況が浮き彫りとなった。
世界市場の不安定化が続く可能性
今回の供給減少は、輸送の要衝に依存する世界のエネルギー供給体制の脆弱性を示す結果となった。IEAが示した見通しでは、4月も供給減が続くとされ、短期的な回復の兆しは示されていない。
今後の供給状況は、輸送経路の安全確保と地域情勢の動向に左右される構図が続くことになる。世界市場は引き続き不安定な状況に直面している。
