安保3文書改定に向けた議論が本格始動
政府は2026年4月27日、国家安全保障政策の基軸となる「安保関連3文書」の見直しに向けた有識者会議の初会合を首相官邸で開いた。会議には高市早苗首相のほか、官房長官や外相、防衛相、財務相など関係閣僚が参加し、今後の安全保障政策の方向性について議論を開始した。
今回の会議は、急速に変化する国際情勢への対応を目的として設置されたもので、秋ごろまでに報告書をまとめる予定である。その内容を踏まえ、政府は年末までの改定を視野に入れている。
首相が国際情勢の変化への対応を強調
会合の中で高市首相は、現在の安全保障環境について従来とは異なる段階に入っているとの認識を示した。インド太平洋地域における軍事力の増強や各国の連携強化などが進んでいる現状を踏まえ、国家としての対応を強める必要があると述べた。
さらに首相は、防衛面の強化を主体的に進めることが不可欠であり、今回の文書改定は国家の将来に大きな影響を及ぼす重要な取り組みであるとの考えを示した。
防衛費の規模と財源が主要な論点に
今回の改定作業では、防衛費の水準や財源の確保方法が大きな焦点となっている。2022年に策定された現行の計画では、防衛関連費を2027年度までに国内総生産(GDP)比2%へ引き上げる目標が掲げられており、5年間で約43兆円の支出が想定されている。
この目標は2025年度の補正予算によって達成されたが、新たな安全保障環境に対応するため、さらなる支出の積み増しが検討対象となっている。
技術や産業分野を含めた総合的検討
有識者会議では、防衛だけでなく経済や技術の分野も含めた総合的な議論が進められる見通しである。先端技術の活用や防衛産業の基盤強化、民間企業との連携のあり方などが重要な検討課題として示された。
また、外交や経済、情報、人材といった多様な分野を結び付けることが、安全保障の強化につながるとの考えが共有された。
年内改定に向けた政府の作業日程
会議には元外務次官や元防衛次官、大学教授など計15人の専門家が参加し、座長には佐々江賢一郎氏が選出された。各分野の専門家の意見を踏まえながら、政策の方向性が検討されることになる。
政府は今後、与党内での議論と有識者会議の提言を反映させ、新たな安全保障関連文書を2026年末までに取りまとめる方針である。
