輸出規制への懸念を共同で表明
日本とオーストラリアは5月4日、キャンベラで開かれた首脳会談を受け、経済安全保障協力の指針となる共同宣言を発表した。高市早苗首相とアルバニージー首相は、重要鉱物に対する輸出規制をめぐり強い懸念を共有した。背景には、レアアースなどを活用した経済的威圧への警戒があり、両国は主要物資の安定確保を共同課題として位置付けた。
緊急時の情報共有と協議を明記
共同宣言では、経済安全保障上の緊急事態が生じた場合、日豪が情報を共有し、相互に協議した上で対応措置を検討すると記された。強靱な供給網の構築は経済安全保障の中心的要素とされ、重要鉱物や食料などの確保に両国で取り組む方針が示された。両国は貿易と投資を促進し、供給網の安定性を高める方向で一致した。
資源とエネルギーで実務協力を推進
重要鉱物分野では、日豪の利益を最大化するため、供給網の多角化に向けた協力を進める。共同文書では、優先的に取り組む6つのプロジェクトが列挙され、資源確保を具体的な実務に結び付ける姿勢が示された。エネルギー分野では、LNG、石炭、液体燃料など必要不可欠な物資の流通を支援する内容が盛り込まれた。
防衛とサイバーの枠組みを拡充
安全保障面では、防衛装備や新興技術を含む連携が確認された。オーストラリア海軍の新型艦をめぐっては、海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」の能力向上型を基にする契約を踏まえ、共同開発や相互運用性の向上を進める。サイバー分野では、協力強化に向けた「戦略的サイバー・パートナーシップ」の創設で一致した。
自由で開かれた地域秩序を重視
高市首相は会談で、「自由で開かれたインド太平洋」の構想の下、日豪が地域の安定に向けて主導的役割を果たす考えを示した。共同宣言とは別に、重要鉱物、エネルギー、防衛・安全保障、サイバー分野の文書も公表され、協力の範囲は幅広い分野に及んだ。両首脳は、次回の首脳訪問までに包括的な安全保障協力の具体策をまとめるよう、両国の閣僚に指示する方針を示した。
