子会社からの報酬受領疑いが浮上
サンリオは、常務取締役がグループ子会社から不適切な報酬を受け取っていた疑いを受け、調査体制を強化する。5月1日に特別調査委員会の設置を発表し、これまでの確認作業よりも広い範囲で実態を調べる方針を示した。対象となるのは、同役員が担当していた子会社からの報酬受領に関する問題である。
会社は4月、同役員が正式に決められた役員報酬とは別に、担当子会社から追加の報酬を得ていた疑いを公表していた。報酬は複数年にわたって支払われた可能性があり、合計で数億円に及ぶ疑いがある。これを受けて、外部の専門家を含めた調査へ切り替える判断に至った。
特別委がグループ全体を確認
新たに設けられた特別調査委員会には、社外取締役に加え、外部の弁護士や公認会計士が参加する。委員会は、報酬受領の事実関係を確認するとともに、該当する子会社以外でも同様の問題がなかったかを調べる。調査範囲を広げることで、グループ内の報酬管理に関する全体像を把握する狙いがある。
サンリオは、調査が終わりしだい結果を公表するとしている。会社は取引先や関係者に迷惑と心配をかけたとして謝罪した。特別調査委員会の設置は、報酬をめぐる疑念を明らかにし、社内管理体制を検証するための手続きとなる。
連結決算発表の日程は未定に
サンリオは、5月13日に予定していた2026年3月期連結決算の発表を延期する。特別調査委員会の調査結果を踏まえて監査を進める必要があり、決算開示までに時間がかかると説明している。延期後の日程は現時点で決まっていない。
会社は、期末後50日を超えて決算発表を行う見通しとなっている。通常の開示予定から遅れることで、投資家が業績内容を確認できる時期も後ろ倒しになる。サンリオは、この問題による業績への影響は現時点で軽微としているが、監査と調査の完了が開示の前提となる。
報酬決定手続きの確認が焦点
今回の問題では、指名・報酬諮問委員会で決まった役員報酬とは異なる報酬が、子会社から支払われていた疑いが焦点となる。役員報酬は企業統治の中核に位置するため、決定手続きや承認の有無を明確にする必要がある。特別調査委員会は、支払いの経緯や金額、関係部署の認識を調べることになる。
報酬が複数年にわたっていた場合、単発の処理ではなく、継続的な管理上の問題として検証される。対象子会社以外への調査拡大も、こうした点を確認するための対応である。サンリオにとって、調査結果は今後の内部統制や再発防止策に直結する。
市場の信頼回復へ開示が焦点
サンリオの株価は、不適切報酬の疑いを公表した後、下落傾向となっている。5月1日の終値は909円90銭で、4月16日の発表日から1割強下げた。投資家は、調査結果と決算発表の時期を注視している。
会社は業績への影響を軽微としているが、役員報酬をめぐる問題と決算発表の延期は、企業統治への評価に影響を及ぼす。今後は、特別調査委員会による事実確認の内容と、会社が示す対応策が重要となる。迅速で明確な説明を行うことが、市場や取引先からの信頼回復につながる。
