北京会談を前に台湾問題が焦点化
トランプ米大統領は5月11日、北京で予定される中国の習近平国家主席との首脳会談で、台湾への武器売却を協議する意向を示した。会談は5月14日と15日に行われる予定で、台湾問題は米中関係の主要議題の一つとなる。トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、台湾への防衛支援について習氏と話すと述べた。
トランプ氏は、習氏が米国による台湾への武器売却を望んでいないとの認識を示した。そのうえで、今回の会談では複数のテーマを扱うと説明し、台湾問題もその中に含まれると明言した。台湾への軍事支援は長年にわたり米中間の対立要因となっており、首脳会談での扱いが注目される。
武器売却を巡る米中の立場に隔たり
米国は台湾の防衛力強化を支援してきたが、中国はこれに強く反発している。トランプ氏は昨年12月、台湾向けとして過去最大規模となる110億USドル超の武器パッケージを発表した。今回の会談では、この支援を巡る米中双方の主張が改めて示される見通しである。
米上院では超党派の議員が、議会で可決済みの140億USドル相当の台湾向け武器売却を承認するようトランプ氏に求める書簡を公開した。書簡は5月8日付で、中国政府に対し台湾支援は交渉対象ではないと明確に示すべきだと訴えている。首脳会談を前に、米国内でも台湾支援の継続を求める動きが強まっている。
トランプ氏が緊張拡大否定
トランプ氏は台湾を巡る緊張について、自身の大統領在任中に深刻化することはないとの見方を重ねて示した。ロシアによるウクライナ侵略にも触れ、台湾で同様の事態は起きないと述べた。発言の具体的な根拠は示されていないが、習氏との関係が良好であることを強調した。
一方で、トランプ氏は台湾と米国の距離にも言及した。米国から台湾までは約9500マイル離れている一方、中国本土から台湾までは約67マイルだと述べた。さらに、台湾は日本や地域の国々から支援を受けているとも説明した。この発言は、台湾問題を巡る米国の立場を中国側がどう受け止めるかという点でも注目される。
台湾側は米国との協力継続を強調
台湾外交部の蕭光偉報道官は台北で記者団に対し、トランプ政権が台湾への支援を再確認し続けていると述べた。12月に発表された武器パッケージにも触れ、米国との協力をさらに深める考えを示した。台湾側は、有効な抑止力を整え、台湾海峡の平和と安定を維持する方針を示している。
台湾への武器売却は、台湾の防衛体制に関わる問題であると同時に、米中関係全体に影響を与える外交課題でもある。台湾側の発言は、米国の支援継続を前提に安全保障協力を強める姿勢を示したものだ。首脳会談での協議内容は、台湾側の今後の対応にも影響を与える可能性がある。
エネルギーや香港問題も協議対象
トランプ氏は、習氏との会談で台湾問題に加え、エネルギーやイランを巡る問題も協議すると述べた。米国はイランを巡り恒久的な戦闘終結に向けた交渉を進めており、中国との対話でも関連議題として扱われる。首脳会談は、台湾だけでなく複数の国際課題を含む場となる。
また、トランプ氏は香港紙「蘋果日報」創業者の黎智英氏についても取り上げる考えを示した。黎氏は香港国家安全維持法違反などで2月に懲役20年の量刑を言い渡され、現在収監されている。トランプ氏は過去にもこの問題を中国側に提起したと述べ、今回も釈放問題を議題にする方針を示した。
