6万円割れで警戒感拡大
20日の東京株式市場では、日経平均株価が大きく値を下げた。終値は前日比746円18銭安の5万9804円41銭となり、重要な節目である6万円を割り込んだ。6万円を下回るのは5月1日以来約3週間ぶりで、投資家心理の悪化が鮮明になった。
朝方から売り注文が広がり、取引時間中には下げ幅が1200円超に達した。午前9時15分時点では、前日終値比811円97銭安の5万9738円62銭まで下落していた。前日の米国市場で長期金利の上昇が株価の重荷となったことが、東京市場にも波及した。
日経平均は5営業日連続で下落した。5日続落は1月以来で、短期的な調整色が強まった。東証全体でも売りが優勢となり、主力株から幅広い業種へ下落が広がった。
米金利と原油高が重荷
今回の下落の背景には、米長期金利の上昇がある。19日の米国市場では、長期金利が2025年1月以来の高水準を付けた。金利上昇は、将来の成長期待を織り込むハイテク株の評価を押し下げやすく、東京市場でも高値圏にあった銘柄を中心に売りを誘った。
原油価格の高止まりも、投資家の警戒を強めた。米国とイランの戦闘を発端とするインフレ圧力が続くとの見方から、各国の中央銀行が引き締め的な政策運営を迫られるとの懸念が広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ転換が意識されたことも、株式市場の重しとなった。
前日のニューヨーク市場では、ダウ工業株30種平均が322.24ドル安の4万9363.88ドルで終了した。ナスダック総合指数も220.02ポイント安の2万5870.71となり、3営業日続落した。米国株安を受け、東京市場では取引開始直後からリスク資産を売る動きが強まった。
高値銘柄に売却圧力強まる
東京市場では、これまで上昇をけん引してきた銘柄に利益確定売りが出た。ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、フジクラなど、株価水準の高い銘柄が下落し、日経平均を押し下げた。決算発表が一服したことで、買い材料が出尽くしたとの見方も売りにつながった。
AI・半導体関連株の一部では、世界的な金利上昇を受けた調整が進んだ。金利が上がる局面では、成長期待の高い銘柄ほど売られやすくなる。フジクラは連日で大きく下げ、指数への影響も大きかった。
不動産関連の一角も軟調だった。金利上昇は資金調達コストの増加につながりやすく、業績への影響が意識された。後場には商社株など景気敏感銘柄にも売りが広がり、相場全体の下げを深めた。
アジア半導体株にも波及
半導体関連では、韓国市場の動向も注目された。韓国半導体大手サムスン電子の労働組合は20日、会社側との報酬交渉がまとまらなかったため、21日からストライキに入る方針を決定した。この報道を受け、韓国市場ではサムスン電子株に売りが強まった。
韓国総合株価指数(KOSPI)も下落した。日本と韓国の株式市場では、AIや半導体関連銘柄が相場上昇の中心となってきた。サムスン電子を巡る材料は、アジアの半導体株全体に対する投資家心理を冷やした。
海外投資家の買いの勢いが鈍るとの警戒も広がった。モメンタムを重視する投資家は、上昇基調が弱まる局面で売りに転じやすい。日経平均の下落には、こうした需給面の変化も影響した。
一部銘柄が相場を支える
大引けにかけて、日経平均は一時の安値から下げ幅を縮めた。日本時間21日早朝には、米半導体大手エヌビディアの決算発表が控えていた。市場では同社の業績がAI・半導体関連株の先行きを判断する材料になるとして、積極的な売買を控える動きも出た。
半導体関連の中でも、アドバンテストやキオクシアには買いが入った。小売りや医薬品の一部も堅調で、ファーストリテイリング、KDDI、良品計画、テルモが上昇した。全面安の中でも、業種や銘柄によって明暗が分かれた。
東証プライム市場の売買代金は概算で9兆5429億円、売買高は27億8314万株だった。値下がり銘柄数は1283に達し、値上がりは263、横ばいは22だった。金利、原油、半導体株の動向が重なり、20日の東京市場は大幅安で取引を終えた。
