ローマ会談で日伊協力拡大の方針を確認へ焦点
欧州を歴訪している高市早苗首相は6月15日午前、日本時間同日午後、ローマでイタリアのメローニ首相と会談した。会談は、フランス東部エビアンで開幕するG7サミットを前に行われた。両首脳は、防衛、経済安全保障、先端技術、中東情勢など幅広い分野で意見を交わし、両国間の連携を一段と深める方針を確認した。
会談後には共同記者発表が行われ、高市首相は日本とイタリアの協力をさらに進める考えを示した。メローニ首相も、日本との関係を戦略的なパートナーシップと位置付け、複数の課題で意見交換できたことを強調した。今回の首脳会談は、G7での議論を見据えた政策調整の場にもなった。
次期戦闘機開発の推進で日伊が足並み
両首脳は、日本、イタリア、英国が進める次期戦闘機の共同開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」について、取り組みを加速させることで一致した。高市首相は、計画を前に進めるため3カ国で連携していく姿勢を示した。防衛装備をめぐる国際共同開発は、日伊関係の重要な柱として扱われた。
GCAPは、日本と欧州側の安全保障協力を具体化する事業であり、会談ではその推進が改めて確認された。両国は、英国を含む枠組みの中で協力を継続する。共同開発を着実に進めることは、両国の安全保障分野での関係強化にもつながる。
重要鉱物と先端分野で連携具体化をさらに推進
経済安全保障では、レアアースなど重要鉱物の安定確保が主要な議題となった。両国は、重要鉱物の供給網を広げ、強靱化するための覚書に署名したことを歓迎した。供給網の安定は、半導体など先端分野の産業基盤を支える課題として位置付けられた。
会談では、重要鉱物の備蓄や半導体を含む先端分野での協力強化でも一致した。両政府は、今回交わした覚書などに基づき、協力の内容を具体化していく。高市首相はG7サミットで重要鉱物の共同備蓄構想を提起する方針で、メローニ首相との会談で認識をそろえた。
中東情勢と航行の自由確保を巡り協議へ連携
地域情勢をめぐっては、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書で合意したことについて意見が交わされた。両首脳は、この合意を歓迎し、迅速かつ着実に履行されることが重要だとの認識を共有した。中東地域全体の平和と安定に向け、緊密に連携していくことも確認した。
ホルムズ海峡をめぐっては、航行の自由を確保する必要性が議題となった。メローニ首相は共同記者会見で、ホルムズ海峡の開放と航行の自由が極めて重要だと述べた。両首脳は、エネルギー輸送にも関わる同海峡の安定確保に向けて協調する方針を示した。
G7を前に連携強化の方向性を明確化へ焦点
今回の会談では、宇宙分野の協力も確認された。両国は共同声明を発表し、スペースデブリ対策や衛星データ協力でさらなる成果を目指すことを盛り込んだ。先端科学技術研究の分野でも、日伊の協力を進める方向性が示された。
高市首相は会談後、G7サミット開催地のエビアンに向かう予定である。イギリス、イタリアでの首脳会談を踏まえ、エネルギーや重要鉱物の備蓄に関する新たな提案を行う方針だ。日伊首脳会談は、G7での議論を前に、防衛、経済安全保障、中東情勢で協調姿勢を確認する機会となった。
