停戦覚書終了発言で米イラン間の緊張高まる
トランプ米大統領は7月8日、訪問先のトルコ・アンカラで記者団に対し、イランとの停戦に関する覚書について、事実上終了したとの認識を示した。覚書が終わったのかと問われると、自身にとっては終わったとの考えを述べ、イラン側との関与に強い不満を表明した。
この発言は、米国とイランの間で戦闘終結に向けた協議が続く中で出された。トランプ氏はイランとの取引に時間を費やしているとの見方を示し、現時点で協議の継続に前向きな姿勢を明確には示さなかった。
一方で、同氏がその後のNATO首脳会議の場で、覚書終了の発言を繰り返さなかったことも関係筋によって示されている。発言の強さとは別に、米政権内での今後の対応はなお流動的な状況にある。
追加攻撃示唆ににじむ米政権側の強硬な姿勢
トランプ氏は同じ場で、米軍がイランに対して再び強い打撃を加える可能性に言及した。7日夜に続く追加攻撃を示唆し、イランに対する警告として強い言葉を用いた。
発言は、米中央軍によるイラン空爆の直後に行われた。米中央軍は7日、イランがホルムズ海峡を航行中の商船を攻撃したことへの報復として、イランの防空システムや沿岸レーダー基地など80か所以上を攻撃したと発表している。
トランプ氏の発言は、米国がイランに対する軍事的圧力を維持する姿勢を示すものとなった。全面的な戦闘再開に踏み込むか、協議を残すかについては明確にしていない。
核保有阻止を重ねて強調するトランプ政権の姿勢
トランプ氏は、イランによる核兵器保有を許さないとの立場を改めて示した。イランとの合意がない場合でも、米国が目標を達成する必要があるとの考えを示唆した。
この発言は、軍事行動と外交交渉の双方を通じて、米国がイランの核開発を抑え込む方針を続ける姿勢を表している。トランプ氏はイラン指導部への批判も強め、現指導部の排除に乗り出す可能性にも触れた。
読売新聞の記事によると、同氏はイラン指導部を強く非難し、早期に取り除くべき存在との趣旨の発言を行った。米政権の対イラン姿勢は、停戦の維持よりも圧力強化に重点を置く方向へ傾いている。
交渉容認発言に残る米イラン協議継続の余地
トランプ氏は厳しい発言を重ねる一方で、米国の交渉担当者が望む場合には協議を認める考えも示した。覚書は終わったとの認識を示しながらも、交渉の道を完全に閉ざす発言にはしていない。
このため、米イラン協議が直ちに完全停止するかどうかは明確ではない。関係筋によれば、NATO首脳会議の場では覚書終了発言を繰り返しておらず、政権内で対応が整理されていない可能性もある。
ただし、トランプ氏の発言はイラン側への強い圧力として受け止められる内容である。イランが反発を強めれば、交渉再開の環境はさらに厳しくなる。
最終合意へ向けた道筋は依然として不透明に
米国とイランの対立は、軍事行動、停戦覚書、核問題、原油禁輸を含む複数の分野で先鋭化している。米財務省は7日、覚書に基づいて一時的に認めていたイラン産原油の輸出について、新規取引を認めない方針を示した。
イラン外務省は、この措置を覚書の重大な違反だと非難した。米側の追加攻撃示唆と経済制裁の再強化は、イラン側の反発を招く要因となっている。
戦闘終結に向けた最終合意を早期にまとめるには、軍事的応酬と外交的対立の双方を抑える必要がある。現時点では、協議再開の見通しは不透明なままだ。
