アルバータ州で初の大型AI拠点建設が始動
米IT大手メタ・プラットフォームズは7月8日、カナダ西部アルバータ州で人工知能向けの大規模データセンター建設に入ったと発表した。建設地は州都エドモントン近郊のスタージョン郡で、メタがカナダにデータセンターを設けるのは初めてとなる。投資額は130億カナダドル、約1兆5000億円を超える見込みで、AI開発と運用に必要な計算能力を拡充する大型案件となる。
1ギガワット級容量で計算資源を長期確保へ
新施設の電力容量は1ギガワット、100万キロワット規模で、約75万世帯分の使用量に相当する。さらに、将来的には最大1.8ギガワットまで広げられる設計とされている。生成AIの学習や推論には大量のサーバーと電力が必要となるため、メタは長期的に使える計算資源を確保する狙いを明確にしている。同社にとって、この拠点は世界で33カ所目のデータセンターとなる。
天然ガスと寒冷な気候を運営面で本格活用へ
アルバータ州が選ばれた背景には、同州のエネルギー面での強みがある。データセンターは主に天然ガス火力発電で稼働する計画で、豊富な資源を活用する形となる。加えて、寒冷な気候は高性能サーバーの冷却にかかる負担を抑える要素となる。AI向けの大型施設では排熱処理が重要な運営課題となるため、気候条件は電力効率の面でも意味を持つ。
再生可能エネルギー投資で使用電力分を相殺
メタは、データセンターで使用する電力量に見合う分を、再生可能エネルギーへの投資で相殺するとしている。ブルームバーグ通信によると、同社は新たな発電設備の整備費用も負担し、その設備はアルバータ州の既存送電網につながる。主電源に天然ガス火力を使う一方で、再生可能エネルギー投資を組み合わせる方針を示した形だ。大規模なAIインフラ整備では、電力確保と環境対応の両立が重要な課題となっている。
AI開発競争を支える基盤整備がさらに加速へ
今回の投資は、メタがAI分野で計算基盤を強化する姿勢を示すものとなった。同社は大規模言語モデル「Llama」を展開しており、AIモデルの高度化に必要なインフラ整備を進めている。OpenAI、Google、Microsoftなどとの競争が続く中、専用データセンターの確保は開発力と運用力を左右する要素となる。カナダ初の拠点は、メタのAI戦略における重要な基盤として位置付けられる。
