通期純利益を2890億円へ引き上げ
クボタは8月4日、2026年12月期の連結純利益が前期比54.8%増の2890億円になるとの業績見通しを公表した。これまで示していた2100億円から790億円増額し、年間の純利益として過去最高に達する見込みとなった。
市場関係者による予測も上回った。アナリスト10人による純利益の予想平均は2288億円で、会社側が今回示した数値はこれを602億円上回る。上半期までの事業実績や為替の推移、北米市場の販売状況などを反映し、通期計画を見直した。
売上高についても従来の見通しから1300億円増やし、前期比8.6%増の3兆2800億円とした。営業利益は同50.7%増の4000億円を見込んでおり、売上高だけでなく利益面でも大幅な伸びを想定する。
円安と関税還付が利益を押し上げ
業績予想の引き上げには、外国為替市場で円安が進んだことが大きく影響した。クボタはトラクターなどの主要製品を国内で生産し、海外市場へ輸出する事業構造を持つ。海外で得た収益を円に換算する際の金額が増えるほか、日本から出荷する製品の採算も改善する。
米国における関税の還付も利益を増加させる要因となった。為替効果と関税関連の収入が重なり、従来計画を上回る収益を確保できる見通しとなった。純利益の増加幅が売上高の伸びを大きく上回る背景には、こうした一時的な押し上げ要素も含まれる。
一方、会社側は外部環境だけが増益の理由ではないと説明する。2026年1~6月期について、為替変動による影響を除いた事業の実力ベースでも売上高と利益が前年を上回ったとしており、収益性を重視した経営への移行を進めている。
北米建機販売が堅調に推移
主力市場の北米では、製品分野によって需要の強弱が分かれた。住宅や個人向けを中心とするトラクター市場は低調な状態が続き、農業・住宅関連の機械販売には厳しい環境が残った。
これに対し、建設機械の販売は安定した。公共部門と民間部門の建設投資が続いたことで、工事現場などで使用される機械への需要が業績を支えた。北米での建機事業の伸びは、トラクター市場の停滞を補う要素となった。
製品群を複数持つ事業構成により、特定市場の不振による影響が抑えられた形だ。北米事業全体では、建設分野の販売が収益を下支えし、通期計画を増額する材料の一つとなった。
中間期は売上高と純利益が拡大
同日に発表された2026年1~6月期の連結決算では、売上高が前年同期比16.2%増の1兆6902億円となった。農業機械や建設機械の販売に加え、円安による換算額の増加などが反映された。
純利益は同87.8%増の1736億円に達した。売上高の伸び率を大きく上回っており、輸出採算の改善や米国での関税還付などが利益面に表れた。上半期だけで、今回示した年間純利益予想の半分を超える水準を確保した。
中間期の進捗を踏まえ、会社側は下半期を含めた年間計画を再検討した。北米の一部市場には弱さが残るものの、建設機械やインドの農業機械などが販売を支え、業績拡大が続くと見込んだ。
収益性を高める経営転換進む
クボタは売上規模の拡大だけでなく、利益を安定して確保できる事業運営への転換を進める。今回の上方修正には為替や関税還付による効果が含まれるが、会社側はそれらを除いた基礎的な業績も改善したとの認識を示した。
2026年12月期は、売上高3兆2800億円、営業利益4000億円、純利益2890億円を計画する。純利益が予想通りとなれば、従来の最高水準を更新し、年間業績は大幅な増収増益となる。
住宅関連のトラクター需要が低迷する中でも、北米の建設機械やインドの農業機械が成長を支えた。複数地域と製品分野を持つ事業基盤に、円安や関税還付が加わり、過去最高益を見込む業績予想につながった。
