4~6月期の実質GDPは3期連続で成長を維持
内閣府が8月17日に公表した2026年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価の変動を除いた実質ベースで前期から0.3%増加した。年率に換算すると1.1%増となり、実質GDPは3四半期続けて前期を上回った。一方、民間調査機関の予測中央値は前期比0.5%増、年率2.0%増だったため、実際の伸びは事前の見通しを下回った。プラス成長は確保したものの、その内容を見ると国内需要の弱さが目立つ結果となった。
個人消費は8四半期ぶり減少し家計の弱さ映す
GDPの半分以上を占める個人消費は前期比0.02%減となり、8四半期ぶりに前期を下回った。値上げされたタバコに加え、電気代や教育関連の支出が減ったことが押し下げ要因となった。一方、3月末に自動車税の環境性能割が廃止された影響から自動車販売は増加した。さらに、2027年4月に予定される省エネ基準の引き上げを前に、エアコンを購入する動きもみられた。ただ、こうした一部商品の需要増だけでは個人消費全体をプラスに押し上げるには至らなかった。
設備投資も2期連続減で内需の寄与度はマイナス
企業の設備投資は前期から1.2%減少し、2四半期続けてマイナスとなった。生産用機械はGDPを押し上げる方向に働いたものの、国内製薬会社が特許権を海外へ譲渡したことに伴い、研究開発サービスへの国内投資が減少する一時的な要因が影響した。民間住宅投資も0.5%減となり、3四半期ぶりにマイナスへ転じた。公共投資についても0.1%減少した。こうした動きを受け、内需全体のGDPへの寄与度はマイナス0.2ポイントとなり、3四半期ぶりに成長率を押し下げた。
外需は原油輸入減と特許権譲渡で成長を押し上げ
国内需要とは対照的に、外需の寄与度はプラス0.5ポイントとなり、3四半期連続でGDPを押し上げた。製薬会社による特許権の海外譲渡がサービス輸出の増加につながったことが一因となった。また、中東情勢の緊迫を背景として原油の輸入量が減少したことも、GDPの計算上は成長率を引き上げる方向に作用した。今回のGDPがプラスを保った背景には、国内の消費や投資の拡大よりも、こうした外需側の要因が大きく影響した構図がある。
政府は緩やかな回復継続と判断も先行き注視
城内実経済財政相は、国内需要には一時的な要因を含む弱さがあった一方、海外部門がプラスとなったことでGDP全体が成長したとの認識を示した。政府は景気について、基調として緩やかな回復が続いているとみている。GDPデフレーターは前年同期比2.6%上昇し、1~3月期の3.2%から伸び率が縮小した一方、実質雇用者報酬は前年同期比2.2%増と前期の1.4%増から拡大した。今後は雇用や所得環境、政策効果に加え、中東情勢が国内経済に及ぼす影響が焦点となる。
