トランプ氏が対フーシ派空爆を直前で見送り、米国の中東軍事介入をめぐる判断に変化へ

美月 芹澤
经过

フーシ派への米軍攻撃が実施直前に見送りへ

イランの支援を受けるイエメンの反政府勢力フーシ派とサウジアラビアの対立が激しくなる中、トランプ米大統領が検討していたフーシ派への軍事攻撃が、実施直前の段階で見送られたと米メディアが報じた。トランプ氏はサウジアラビア側から支援を求められた後、国防総省に空爆の準備を進めるよう指示したとされる。標的の選定が終わり、米軍機への爆弾搭載も進められていたものの、20日までに攻撃を停止、または延期する判断に切り替えたという。

サウジ首都への攻撃で地域の緊張が一段と上昇

フーシ派は9月中旬、世界の主要な海上輸送ルートに近いバベルマンデブ海峡周辺で支配地域を拡大した。さらに19日には、サウジアラビアの首都リヤドなどを狙って無人機や弾道ミサイルによる攻撃を実施したと発表した。リヤドでは空港周辺から煙が上がる様子も伝えられ、サウジ国内の重要拠点にまで攻撃が及ぶ状況となった。こうした情勢を背景に、サウジ側は米国に軍事面での協力を求めていた。

サウジ側の要請受け米国で空爆準備進行

米報道によると、トランプ氏は17日、サウジアラビアのムハンマド皇太子から軍事支援を求められ、フーシ派を対象とした攻撃の準備を国防総省に指示した。作戦に向けた標的リストも承認され、実際の軍事行動に移れる段階まで準備が進んでいたとされる。一方、その後トランプ氏は方針を変更し、空爆を直ちに実施しない判断に転じた。結果として、米軍による新たな対フーシ派攻撃は当面行われない見通しとなった。

フーシ派は米国船を攻撃しない意向示す

米国側の対応を左右する要素の1つとして、フーシ派の攻撃対象が挙げられている。トランプ氏は公の場で、米国がフーシ派側と連絡を取っており、同派が米国の船舶を標的にしない意向を示していると説明している。フーシ派幹部も、米国船を攻撃しない考えを示したと報じられている。一方で、米国政府はフーシ派をテロ組織に指定しており、両者の関係には引き続き大きな隔たりがある。

軍事支援を抑える米政権の姿勢が鮮明に

トランプ氏は20日、イエメンのアリーミー大統領とも電話で協議した。アリーミー氏は、フーシ派との戦闘を続けるイエメン政府への米国の支援を要請したが、関係者によるとトランプ氏は軍事支援について具体的な約束をしなかった。サウジ側からの要請を受けた空爆についても実施を見送り、イエメン政府に対しても直接的な軍事介入を確約していない。フーシ派の勢力拡大が続く中、米政権は軍事行動の範囲を慎重に判断する姿勢を示している。

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