TOPIXが10月から銘柄選定を刷新、全3市場を対象に浮動株時価総額で大幅再構成へ

新見灯子
经过

10月の定期入れ替え開始に向け選定制度を再構築

東京証券取引所は、日本の代表的な株価指数であるTOPIXの構成銘柄について、2026年10月から新たな選定基準による入れ替えを開始する。従来の市場区分を中心とした採用方式を改め、企業の時価総額や株式の流動性を重視する制度へ移行する。

1969年に誕生したTOPIXは、長年にわたり東証の最上位市場に上場する企業を中心に構成されてきた。現在は約1600社が組み入れられているが、時価総額が小さく、株式の取引量が限られる企業も含まれている。

こうした構成は、TOPIXに連動した投資信託などを運用する際の課題となっていた。今回の制度変更では、企業の規模と市場での取引状況を反映した銘柄選定を行い、指数の構成を見直す。

採用対象を3市場に広げ企業規模と流動性を重視

新制度では、従来のプライム市場に加え、スタンダード市場とグロース市場の上場企業も選定対象となる。市場区分にかかわらず、一定の条件を満たした企業が指数に組み入れられる仕組みだ。

選定では、企業の株式が市場でどの程度取引されているかを示す年間売買代金回転率と、浮動株時価総額が重視される。

浮動株時価総額は、親会社や創業家などが長期的に保有する株式を除き、市場で売買できる株式を基準に算出する。企業全体の時価総額が大きくても、市場に流通する株式が少なければ、その規模は限定される。

これまでの改革でも、政策保有株の扱いを変更し、小規模な銘柄の指数内比率を引き下げてきた。2025年1月までに実施された第1段階の見直しに続き、今回の改革では採用企業の選定方法そのものが変更される。

浮動株時価総額の累積比率97%を採用基準に

新しい選定方式では、対象企業を浮動株時価総額の大きい順に並べ、その累積額が市場全体の97%に達するまでの銘柄を採用する。

初回の選定には、2026年8月の平均株価を基に算出した浮動株時価総額が使用される。採用銘柄数を固定する仕組みではないため、企業の株価や市場環境によって対象企業の数も変動する。

大型株の株価が大幅に上昇すると、累積比率97%に到達するために必要な銘柄数が減少する。その結果、ほかの企業の株価に変化がなくても、採用対象から外れる場合がある。

構成銘柄は現在の約1600社から900社台まで減少するとの試算もある。ただし、この数字は確定した採用数ではなく、実際の構成は選定時の市場状況によって決まる。

市場への影響を抑え2028年7月まで段階移行

構成銘柄の大幅な変更は、TOPIXに連動する投資信託などの株式売買に影響する。採用銘柄が変われば、運用会社も保有する株式の構成を調整する必要がある。

東証は、制度変更に伴う急激な影響を抑えるため、2026年10月から約2年間をかけて段階的に移行する。除外対象となる銘柄については、2028年7月まで四半期ごとに8段階に分けて指数内の構成比率を引き下げる計画だ。

この方式では、対象銘柄を一度に指数から除外するのではなく、一定の期間を設けて構成比率を減らしていく。TOPIXに連動した運用資産の調整も、その移行期間に沿って進められる。

また、銘柄の選定は今後、毎年実施される。今回の変更で対象から外れた企業も、その後の浮動株時価総額などが基準を満たせば、再び採用される。

定期選定によって株式指数の役割と構成が変化

今回の改革により、TOPIXは上場市場の区分を中心とした構成から、企業の市場評価を継続的に反映する株価指数へ移行する。

日本を代表するもう1つの指数である日経平均株価は、225銘柄の株価を基に算出され、株価水準の高い企業の影響を受けやすい。これに対し、TOPIXは浮動株時価総額を基準としており、市場で取引可能な株式の規模が指数への影響度を決める。

海外の主要指数では、米国のS&P500が500社、ダウ平均株価が30社、英国のFTSE100が100社で構成されている。定期的な銘柄の見直しも広く採用されている。

TOPIXでも今後は、上場企業の入れ替えが定期的に行われる。市場区分による従来の制約が緩和される一方、構成銘柄であり続けるには、新制度の条件を継続して満たすことが必要となる。

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